自宅から母親が住んでいた家までは500mほど。途中に公園と県の施設のもくせい会館と医師会館がある。もくせい会館は名前の通り周囲の道路沿いに金木犀とツツジが植えられている。この時期、咲いている花はないが、ちょうど梅雨の中休み状態で、それほど暑くもなく、歩いていて気持ちが良い。ふと上を見上げるとビールの原料のホップを大きくしたような実をいくつもぶら下げている木に気が付いた。何の木だろうと気になる。木の名前を書いたプレートは付けられていない。スマホで写真を撮り、Google検索にかけてみる。アサダの可能性が高いとのこと。聞いたことのない名前である。
アサダはカバノキの仲間の落葉高木で高さは10~25mに及ぶ。樹皮は剥がれて反り返り、ミノムシ状になるのが特徴である。4月~5月に開花して実を付け、果実は10月頃に熟して種が飛び出す。浅田という漢字があてられるが、語源は不明とされる。木の材質は堅くて緻密であり、磨くと美しい光沢が出ることから、櫛などの小物や家具の材料として用いられるという。
今まで全く気にも留めなかった木であるが、これからは時々観察して変化を見て行こうと思う。自宅近くの何の変哲もない景色の中でもちょっと変わったものが見つかることもある。クリニックを受診している患者さんたちから「何もすることがない」「つまらないから家でゴロゴロしている」という話をよく聞くが、出かけてみれば意外な見どころもあって、興味を引くことも見つかるものである。


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