朝、駅前に出るとタクシーが止まっている。7時前だから一台も止まっていないことの方が多くてその場合はバス停に走るけれども、今日はラッキーだと思って見ると運転手さんがいない。どうしたんだろうと思う間もなく後ろから「すみませーん」と声がしてきて見慣れた運転手さんが走って来る。70代くらいの気のいい人である。「駅のトイレに行ってたもんでね。どうもトイレが近くていけないですよ」と。私も他人事ではない。車を発車させてから、さらに続ける。「だけど、ここ2日は腰痛が軽くて助かってます。このまま治ってくれればいいだけどね」と。先週は厳しい寒さが続いたが、今週は節分・立春に合わせてか寒さが緩んで少し春めいた陽気になっている。私も魔女の一撃(378話)・・・ぎっくり腰にやられたり、腰痛(891話)が出たりするのは、寒い時期が多いような気がする。腰痛持ちの人にとっても恵みの春がやってくる。
二足歩行の人類にとって腰痛は宿命だと言われている。精神科外来通院中の患者さんでも湿布を希望される中高年の人が結構いる。いわゆる腰痛症の原因はハッキリしないことが多い。最初は整形外科に通っていたが、良くならなくて湿布や鎮痛剤を処方されるだけだからやめてしまい、精神科で「ついでに湿布も出して下さい」ということになるのだ。痛いからと言って寝てばかりいても良くなるものでもない。無理のない程度に運動したり歩いたりして筋力を維持することも大切である。このあたりは神経症の症状への対処法と同じで、整形外科で診てもらって特に異常がなければ、あるいは加齢によるものですと言われたとしたら、多少の痛みはあっても健康人として日常生活を送っていくのがよいだろう。
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