神経質礼賛 525.コラーゲンの行方
お肌すべすべで美しくありたいという世の女性方の願望は不変だと思うが、最近のコラーゲンのもてはやされ方を見ると、神経質人間としては疑問を持たざるを得ない。TVのグルメ番組ではモツ鍋が「コラーゲンたっぷりでお肌ツルツル」と紹介されることが多い。ゼラチン(哺乳類や魚類から抽出したコラーゲンを熱で変性させたもの)を鍋料理に入れるという店もある。確かにコラーゲンはツルツル皮膚に多く含まれているのだろうけれども、コラーゲンを食べたからといってそれが直接皮膚に取り込まれるわけではない。化粧品のように皮膚に塗ったところで時間が経てば剥がれ落ちるだけのことで、体内に吸収されるとは考えにくい。サプリメントも販売されていて、皮膚に対する効果ばかりでなく加齢による関節痛にも効果があるように謳っているものまである。
コラーゲンは骨・軟骨・腱・皮膚(特に真皮)に多く含まれるタンパク質のひとつであり、ヒトの体内のコラーゲンはすべてのタンパク質の約3割を占めると言われている。経口摂取したコラーゲンは胃腸で分解されてアミノ酸として吸収され、体内に貯蔵される。この段階ではもはやコラーゲンとしての特性はなくなっている。従って、経口摂取したコラーゲンが分解吸収されて、その一部は体内でコラーゲンを合成する際の材料になる可能性はあるので、宣伝コピーは全くのウソとはいえないけれども、あたかも薬の効能のように謳うことは誇大宣伝だと思う。要は好き嫌いせずにバランス良く食品を摂っていれば、あえてコラーゲンを多く含む料理やサプリメントを摂る必要性はないだろう。高価なフカヒレ料理を食べるとお肌がスベスベになる、というのは高価な化粧品が効果を示しやすいのと同じでプラセボ(偽薬)効果だと思う。(たまにはフカヒレ料理でも食べてみたいものだ)


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