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2006年3月 1日 (水)

神経質礼賛 21.薬以外の処方

 私が高校2年の時、体育で柔道の授業中に相手の腕で顔を強打し、鼻血が出た。学校近くの耳鼻科医院で鼻骨骨折と言われ、その後も鼻出血を繰り返し、よくお世話になった。その耳鼻科の先生は「変人」として有名であった。小柄・色黒・50歳位の先生で、三河弁で話していたように思う。独身で登山が好きであり、待合室の壁には山のモノクロ写真が貼ってあった。「来週からアンデスに行っているから、もし私がいない時にまた出血があったら○○医院に行きなさい」という調子で時々休診になる。看護婦さんや事務員はおらず、先生一人で診察していて、時々薬屋さんが来ては、薬を整理棚にセットしているような状態である。待合室には最新の週刊誌と漫画雑誌が豊富にそろっていて退屈はしないが、長時間待つのも困るので、大声で「スミマセーン」と呼ぶと、奥から先生がのこのこ出てきて診てくれる。あまり他の患者さんを見かけることはないが、ある時、カゼらしい患者さんが来て、診察を受けた。しかし、薬の処方はなく、「薬はないんですか?」という患者さんに「寝とれば治る」と答えていた。人間には自然治癒力があり、体力や免疫力が落ちている人でない限り、普通のカゼは自然に治るものである。風邪薬を飲めば、確かに症状は緩和されるが、本当に治しているわけではなく自分で治しているのである。それに、薬には副作用もある。だから軽い風邪であれば「寝とれば治る」が正しい処方であり、解熱剤・抗ヒスタミン剤・鎮咳剤ばかりでなくウイルスには無効な抗生剤まで処方するのは邪道なのである。

 「不安障害にもSSRI」の時代ではあるが、私もその「変人」先生と同様、神経症に関しては、なるべく薬は最小限にとどめ、「神経症は自分で治すもの」と説いている。時には、「ここに来るんじゃなくてハローワークに行きなさい」と「処方」し、後日その患者さんから「先生に喝を入れられて、正社員になれました」と感謝されたこともある。もし、森田正馬先生が今生きておられたら、どうだろうか。ありとあらゆる治療法を試された上で森田療法を確立された先生のことであるから、SSRIなどの薬物療法は当然されると思うが、やはり、その人の自然治癒力を生かして、薬は最小限・短期間・効果的に使われるだろうと思う。「人の性(しょう)を尽くす」である。

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