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2006年5月 1日 (月)

神経質礼賛 61.睡眠薬いろいろ

 先日、土曜日の夕方、外来受付にいきなり「ハルシオンとリタリン出してくれ」と言って来た男性がいた。今まで受診歴はなく紹介状も持っていなかったので、ケースワーカーが対応し、当院ではリタリン(精神刺激薬)は処方していないし、睡眠薬も診察を受けた上で必要な場合だけ処方される、と説明したところ、その男性は「じゃあいいよ」と帰って行ったそうである。いずれもインターネットで不法売買される薬の代表選手である。病院は薬(ヤク)の売人ではないので、「はい、どうぞ」というわけにはいかない。

 国内で現在使われている睡眠薬はベンゾジアゼピン(BZ)系の薬剤が主流である。筋弛緩作用が少なく(つまりフラツキや転倒の危険が少なく)健忘も起こりにくい非BZ系も近年発売されているが、薬価が高く効果も従来薬ほどではないためか、依然としてBZ系がよく使われている。BZ系の基本は抗不安薬のジアゼパム(商品名セルシン、ホリゾンなど)であり、その構造式を少し変化させたものが睡眠薬として使われている。その中でトリアゾラム(商品名ハルシオン)は最も半減期が短い超短時間型の薬剤であり、切れ味鋭く眠りにつけるということで人気(?)が高い。しかし、短時間型のものほど、反跳性不眠(薬をやめた時のリバウンド現象)が起こりやすく、薬をやめにくいという問題がある。また、アルコールとともに服用すると、意識障害を起こす危険性が高く、睡眠薬強盗などの犯罪に悪用されてしまうこともある。

 夜勤の後、昼間に寝なければならない交代勤務の人や、海外との往復が多い仕事で時差ボケのためになかなか眠れないという人の場合はやむを得ないが、睡眠薬はなるべく飲まない方がよい。第14話の森田先生のお話にあるように、医師が安易に睡眠薬を処方するのは今もありがちのことである。

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