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2006年7月28日 (金)

神経質礼賛 89.気に入らぬ 風もあろうに 柳かな

 これはよく引用される句である。禅寺には月(週)替わりで標語が貼られているが、そこでもお目にかかることがある。森田正馬先生もこの句を引用しておられる。

 「気に入らぬ風もあろうに、柳かな」という事がある。「今度あの風が吹いたら、こんな風に靡(なび)いてやろう」とかいう態度が少しもなく、柳の枝は、その弱いがままに、素直に境遇に従順であるから、風にも雪にも、柳の枝は折れないで、自由自在になっているのである(森田正馬全集第5巻 p.318

と述べ、症状はあっても仕方なしに仕事をしていれば神経症がよくなっていくと説かれている。

 東京の出光美術館には江戸時代の禅僧・仙の「堪忍柳画賛」がある。風に靡く柳の絵の左側には「気に入らぬ風もあろふに柳哉」、右側には大きく「堪忍」の文字が書かれている。会社で創業者の写真を額に入れて飾っているところはよくあるが、出光佐三は自分の写真のかわりにこの画を掛けさせたという。

 風は自分で選ぶことができない。台風の強い風、冷たい北風、柳にとってもつらいものである。しかし、枝葉を風になびかせて受け流し、幹はしっかと立っているのが柳の本分である。人間も同じで思いも寄らぬ逆風も吹くものである。神経質人間は、「自分ばかりこんな目に遭って、不公平だ」と感じがちであるが、誰にも「気に入らぬ風」は吹くものである。逆風は仕方なしとあきらめて受け流し、やるべきことをコツコツやっているうちにいつしか風向きは変わってくるものである。

 偶然、この句をもじったブログを見つけた。「気に入らぬ風あろうが、柳かな」という題名の日記である。投稿者は実習で忙しい男子学生さんのようだが、料理が得意で、「作品」の写真をアップしておられる。レシピも満載で役に立ちそうである。スーパーで見切り品を上手に購入したり、レジ袋節約カードを利用したり、残り物もうまく一品に仕上げたりしていて、まさに「物の性(しょう)を尽くす」である。神経質上級者とお見受けした。今後の御活躍を期待いたします。

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