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2006年10月29日 (日)

神経質礼賛 119.救急あれこれ

 大学病院に勤務していた時は月一回位の割合で救急当直の担当が回ってきた。3次救急なので、2次救急で手に負えない重症例が転送されてくることを想定してのシステムだが、実際には普段通院している人や近隣住民がカゼや腹痛などで来院することが多かった。中には夜来れば待たずにすぐ診てもらえるから、というちゃっかりした人もいた。「本日の内科系担当は精神科です」などという看板でも出していれば、恐れをなしてUターンしていくところであろうが、知らぬが仏である。やはり専門ではないので誤診は怖い。そこは神経質。重篤な疾患が懸念される場合には恥も顧みずに専門の先生をお呼びして診察をお願いしていた。

 ある時、けいれん発作を起こして救急車で担ぎこまれた人がいた。それまでてんかん発作の既往はないのであるが、普段服用している薬を調べたところ、大量の抗不安薬が処方されていた。デパスという短時間型の抗不安薬だけでも10mgを超え、通常量の3倍以上であった。後で聞いてみると、忙しくて2回ほど続けて飲み忘れたのだという。退薬症候群だとわかった。抗不安薬を中断すると、いわゆるリバウンドが起こり一過性に焦燥感・不眠などをきたすことがあるが、特に短時間型の薬では中断によってこのようにけいれんを起こすこともあるので、注意が必要である。

 精神科の患者さんで一般の救急外来を受診するのは、うつ病・うつ状態で大量服薬や自傷行為などによる自殺企図の患者さんの他、神経症圏ではパニック障害や身体表現性障害などの患者さんである。神経症圏の方の場合は、御本人が「身体の異常」としてとらえているため、どこかに病気があるはずだとドクターショッピングに走ってしまうことが往々にしてある。救急受診の段階で、身体の病気ではなく精神科や心療内科の治療でよくなることを理解していただくと、あちこちの病院を無駄に受診することがなくなり、大きなメリットがある。たまには精神科医も役に立つ。

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