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2006年11月13日 (月)

神経質礼賛 124.工学部不人気

 平成181025日付け毎日新聞夕刊のトップ記事は、大学工学部の不人気ぶりについてだった。工学部の受験志願者数は10年前に比べて半減しているという。それに代わって医療関係の学部の志望者が増えているという。これは深刻な問題である。資源に乏しいわが国は科学技術力すなわちモノ作りの力で勝負していく他ないのだが、優秀な人材が工学部を避けるようになったのでは行く末が心配である。

 こうした背景には理工学系出身者が仕事に見合った待遇を受けていないことがある。研究者や公務員で理系出身者の冷遇ぶりは「理系白書」で話題になった。週刊誌などで取り上げられる年収比較を見ても、メーカーの開発技術者は事務や営業に比べて待遇が悪いし、いわゆる出世も困難である。その割には長時間の残業、休日出勤という実態もある。受験生もその辺は承知で、いくらやりがいある仕事であっても、それに見合った対価がなければ敬遠してしまうだろう。プロジェクトXの美談には釣られない。

 最近、技術者個人への発明に対する対価請求を認める判決が出るようになってきた。企業側もこれまでは仕事の中での発明だとしてビタ一文出さなかったのが、発明や研究に対する報奨金制度を整備せざるを得ない状況になってきた。良い発明や研究で一攫千金ともなれば、モチベーションが向上して、さらにすぐれた発明や研究に結びつくことが期待できる。そうなれば、優秀な人材が理工系に回帰してくるだろう。

 私の外来に長いことパニック障害で通院しておられるコンピュータメーカーの技術系管理職の方がいる。毎日、帰宅するのは夜の11時、12時。睡眠時間は4-5時間。休日も実際にはなかなか休めない。出張続きで家を空けることも多い。時々、無精ヒゲを生やして来院されることがあり、「ここ3日、会社に泊り込みだったので失礼で申し訳ありません」と言われる。私はいつも「休める時には少しでもお休み下さい」と言っている。ハードワークの中で、列車に乗っている時などにパニック発作が起こるようになった。薬で良くなり、もう全く日常生活に支障はないのだが、「定年退職までは薬を飲んでおこうと思います」と神経質に服薬しておられる。この方は私とは逆コースで、最初は医学部にいたが電気やコンピュータが好きで理工学部に転じた経歴の持ち主である。メーカーは、もっと技術系社員を大事にしてほしいものだ。

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