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2006年12月25日 (月)

神経質礼賛 139.薬の入荷停止騒動(ワイパックス・ロラメット・アーテン)

 今月、ワイスというメーカーで製造しているワイパックスという抗不安薬が品薄となり、患者さんの処方薬を変更せざるを得ない事態が発生した。ワイパックスは短時間型の抗不安薬で血中濃度の上昇が早く、ソラナックス(コンスタン)とともにパニック障害の治療でよく使われる薬である。ワイパックスは代謝の際、肝臓の代謝経路がシンプルで、蓄積しにくいので、高齢者や肝機能が少々悪化している人にも比較的安心して処方しやすいという長所がある。いざワイパックスをコンスタンに変更しようとすると、飲み慣れた外来患者さんからは「ワイパックスの方が効きが早いのに」とか「電車や車の中で不安になって頓服する時、ワイパックスの方が水なしで飲みやすいのに」とか言われて困った。「どちらも作用時間・効果とも近いので、コンスタンでガマンして下さい」、とお願いする一方であった。

 やっとワイパックスの再入荷のメドが立ったと聞いてほっとしたのもつかの間、今度は同じメーカーで製造している睡眠薬ロラメットと抗パーキンソン薬のアーテンが入荷停止という情報が入り、大慌てである。ロラメットはワイパックスと同様に高齢者にも使いやすいという長所がある薬である。アーテンは統合失調症の薬の副作用止めとしてよく処方されている薬である。入院患者さんで長期間服用している人も多く、薬剤変更は大変な作業であるばかりでなく、薬剤変更を患者さんに説明して納得してもらうのが大変である。年末はただでさえ忙しいところでこのドタバタである。

 薬問屋さんの情報によると、メーカーがロラメットとアーテンの製造ラインをワイパックス用に転用したためだそうだ。自転車操業もいいところで実にお粗末な話である。精神科の薬は長期間服用する場合が多いので、風邪薬や抗生物質と異なり、急激に需要が変動することは少ないので生産・出荷計画は立てやすいはずである。例によって「神経質が足りない!!」と叱りつける必要がありそうだ。勤務先の病院では、ついに、ワイス社の製品の採用を取りやめてジェネリック薬品に変更することになった。神経質が足りないと大損することになりますよ。

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