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2006年12月 4日 (月)

神経質礼賛 132.神経質は営業には不向き?

 病院を訪問してくる製薬会社の担当者は1年くらいで交代していく。いろいろな個性を持った人がいて、観察していると面白い。今月、某社の新しい若手の担当者が病院に来て、新薬のプレゼンテーションをしていった。この人は薬学部出身ではなく、文系出身で、機械メーカーの営業マンからの転職だそうである。最初の自己紹介で「小心者でこういう場では緊張しやすい性格です」、と述べていた。しかし、十分に準備をしてきているので、よどみなくプレゼンテーションができ、質問に対しても適切に答えていた。傍からは緊張しているようにも見えない。

 小心で取越苦労しやすい神経質人間は営業向きではないと思われがちだが、必ずしもそうではない。ハッタリと脅しで高額商品を押し付けるような悪徳営業マンは勤まらないだろうが、まっとうな会社の営業マンは立派にできるのである。相手の都合を考えてアポイントを取り、自社商品の長所だけでなく欠点についてもきちんと説明し、アフターフォローもしっかりやるような、神経質営業マンは、弁舌が立たなくても顧客から信頼され、人並み以上に実績をあげることができるのだ。

 森田正馬全集第5巻は形外会(森田先生の治療を受けた人たちが毎月集まる会)の記録であるが、その会長の香取修平さんは実業家(貿易商)であった。不眠を治すために別荘を買って移り住んだが良くならず、心悸亢進もあり、森田先生のところで入院治療を受けた。その後はさらに仕事もはかどるようになったという。また、赤面恐怖治療の最初の症例である根岸氏は学校卒業後、上海に渡ってビジネスマンとして成功をおさめた。悪いところ探しをしていたエネルギーが仕事に生かせるようになったということなのである。

 現代でも岡本常男さん(メンタルヘルス岡本財団理事長・元ニチイ副社長)のように胃腸神経症に苦しみながら森田療法を勉強され、神経質を生かしてビジネス界で大成功をおさめられた方がおられる(37話参照)。

 気が小さくて情けない何とかならないものかと悩んでおられる神経質営業マンの方、性格の根本は変えようがないし、変える必要もないのです。気が小さいのは逆に美点となることだってあります。ドキドキ・ハラハラしながら、神経質を仕事に生かしていけばよいのです。

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コメント

はじめまして。
先生のブログをkeizoさんが「那田尚史の部屋」の掲示板に書き込まれたことで知りました。
私も「神経質を活かす」というホームページを公開しています。
随分昔「生活の発見会」とい森田療法の勉強会に参加していたこともあり、森田正馬について、そこそこは知っていたのです。
さて私は2002年2月から3回目の悟りに入り、悟りの中にいますが。
森田正馬先生の年譜から、先生も「悟りの仲間」だと推定しています。学生時代に苦しい症状の中で勉強に打ち込まれて「晴れ晴れとした心境」を勝ち取られた体験を書かれています。
先生は「あるがまま、なすべきをなした」結果だと捉えられたようです。
私から見れば、これが禅でいう「見性体験」といわれるものだと考えています。(坐禅などの行をしなくても悟りに入ることは私自身体験済みです。)
「小悟」という言葉を私が使っている、悟りの入り口の段階です。
先生の場合神秘体験が眠っている間に通り過ぎた場合です。
私は起きているとき神秘体験したこともあり、眠っている間に通り過ぎてしまったこともあります。
いずれにしても気分爽快、元気はつらつになるものです。
そのような観点から私流の簡単な森田正剛論を展開しています。また坐禅の効用としてのサトリを強調しています。
神経質の仲間で偉大な人として、松下幸之助を紹介しています。
お暇な折にご一読いただければ幸いです。
PS
お許しいただければリンクしたいと思っています。

無学求道様
 貴重なコメントをいただき、ありがとうございました。松下幸之助の「素直な心」は森田正馬先生の「純な心」に非常に近いものがあります(参考文献→田代信雄ほか:森田正馬の「純な心」と松下幸之助の「素直な心」.森田療法学会誌,Vol.9 No.2;145-154,1998)。お説のように松下幸之助は偉大な神経質者と言えそうです。
 求道様のHPを拝見いたしました。座禅や悟りは、小生にとっては理解不十分な分野ですが、「神経質を活かす」という点では、全く同感であります。求道様の御専門の観点から「神経質を活かす」という考え方をひろめていただければと存じます。
 なお、リンクにつきましては御自由にしていただいて結構です。今後ともよろしくお願いいたします。

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