フォト
無料ブログはココログ

« 神経質礼賛 145.NHKの女子アナウンサー | トップページ | 神経質礼賛 147.納豆の効果? »

2007年1月19日 (金)

神経質礼賛 146.病院評価の本末転倒

 16日の教育テレビETV特集でよい病院の評価ということで、日本医療機能評価機構が取り上げられていた。これは病院の安全性や医療の質を第三者の立場から評価するものであり、10年前にアメリカの制度を日本に直輸入したようなシステムである。番組には「がんばらない」という著書で有名になりテレビドクターと化したK先生が登場し、この制度を賞賛しておられた。厚生労働省の広報番組さながらである。実際の取材では、小規模病院が認定を取るために、医師も看護スタッフも残業を続けて努力し、最後は涙を流すという「プロジェクトX」風の作りもあった。

確かに、認定を受けるために病院側が努力することで医療の質が改善される部分もあるし、病院側としても認定病院であることを宣伝でき、一部で診療報酬加算が認められるというメリットもある。第三者が評価することで、普段は見落としている問題点を明かにして改善が図られる可能性もある。平成18年末現在、全国の病院の約25%が認定を受けているという。

 私の勤務先の病院はまだ認定を受けていないが、近隣の精神科病院でこの認定を受けたところがある。その結果、どういうことになっただろうか。なんと看護師さんたちが大量退職してしまったのである。そのため、この病院は空床があっても新規入院患者の受け入れを制限せざるをえなくなった。この認定を受けるためには、マニュアルが整備され、いろいろな会議が継続的に開かれ、その文書が残っていなくてはならない。認定を受けるために、文書が大幅に増え、その記録のために看護師さんたちが残業する破目になった。女性看護師さんの多くは家庭の主婦でもあり、残業続きでは家族が犠牲になってしまうので、大量退職の流れとなったのであろう。

ただでさえ年々、カンファレンス(会議)や院内研修の時間が増大し、看護スタッフがナースステーションにいない「無人くん」状態も見かける。また、都道府県や保健所の指導により記載を要する帳票類やその項目数は年々増加の一途をたどっていて、スタッフのデスクワークに要する時間が増えて患者さんと接する時間は減る一方なのである。残業続きの疲労状態では医療ミスの発生リスクは高くなる。認定を受けたがために医療の質の低下をきたすとしたら、何のための病院評価なのか。実際、認定病院での大きな医療事故も相次いでいる。これでは本末転倒である。

 参加者を医療関係者だけに限ったインターネット掲示板でも、この制度はボロクソに叩かれている。医師や看護師の時間的負担が増えて患者さんへのサービス低下をきたす点以外にも、評価機構自体の問題点が挙げられている。すなわち厚生労働省関係の天下り役人と元医師会幹部で運営されており、認定には数百万円かかり、評価機構には多額のカネが流れ込んでいる。調査官の採用についても不透明な部分が大きい。怪しげなブローカーまがいのコンサルタントが介在し、百万単位の金を要求する。認定を取るために高額な接待が行われている。といったダークな部分も存在するのだ。

 このテーマはNHKでなく、民放で取り上げた方が、まだマシな報道ができたかもしれない。

« 神経質礼賛 145.NHKの女子アナウンサー | トップページ | 神経質礼賛 147.納豆の効果? »

コメント

四分休符先生、いつも感銘ぶかく拝読させて頂いています。
実を言いますと、ここのところ身内が入院したり、病院かよいを続けているせいで、
病院や医師やスタッフや受信システムの矛盾点や
患者本位でない医療が多く目に付き、
時々歯がゆい思いをさせられています。

このような「評価制度」が導入されたとは知りませんでしたが、
あまり鵜呑みにできないことがわかり、
貴重な予備知識を与えていただきました。

ところで、前回の記事のUアナウンサーは、
今日お昼の番組を、チラッと見ていたら、
いきなりオープニングから
マイクを握り締め、山口百恵さんの歌をどういうわけか
熱唱しておりました。
なかなかセクシーで良かったのですが、
NHKはどうなっちゃのかな、と心配になりました。

それから、もし差し障りがないようでしたら、
個人的にお知らせしたいことがあるのですが、
メールを送ることが出来るでしょうか?

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 神経質礼賛 145.NHKの女子アナウンサー | トップページ | 神経質礼賛 147.納豆の効果? »

最近のトラックバック

2018年11月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30