神経質礼賛 151.富久者有智 遠仁者疎道(ふくはうち おにはそと)
前回の続きだが、出光美術館の展示で、他に目を引いたのは、小林一茶の「朝顔画賛」(個人蔵)である。句の中で、「朝顔」の文字の代わりに朝顔の絵を入れていて、洒落ている。
明治・大正時代の文人画家である富岡鉄斎の「福内鬼外図」(出光美術館蔵)も良かった。福は内、鬼は外の言葉が、「富久者有智 遠仁者疎道」と表記されていた。表音文字のひらがなと表意文字である漢字の両方が使える日本語ならではのことである。なかなか含蓄ある言葉である。神経質には智者が多い。神経質という宝物を十分に活用して、富久となることを祈念する。
美術館ロビーからの眺望はすばらしい。超高層ビルからの見下ろすような展望とは異なり、ほどよい角度で、お堀と皇居周辺が見渡せる。たまたま快晴で、青い空も美しかった。給茶機のお茶をすすりながら景色に見とれている人たちもいた。地味な美術館だが、交通の便は申し分ないので、ちょっと空いた時間に寄るのには適している。
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