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2007年2月12日 (月)

神経質礼賛 154.仕事が人を治す

 私の勤務先の病院に、統合失調症で長年通院している50代の男性患者がいる。若い頃に3ヶ月ほど入院したこともある。いつも足の不自由な母親が杖をついて薬を取りに来ていた。本人はどうしても受診しようとしない。母親を車で送ってきて、自分は車の中で寝ている。母親の話では入院させられると嫌だから出てこないのだそうだ。無診察で処方を続けるのはまずいので、やむなく駐車場に出向いて「診察」となるわけだが、「うるせーなー。早く薬を出してくれりゃあいいんだ」で取り付く島もない。10年以上職についておらず、ゴロゴロ寝てTVを見て過ごす毎日である。外出はタバコと酒を買いに行くだけ。大声での暴言があり、近所から苦情が絶えない。老いた両親には暴力を振るう。両親から「病院の職員を派遣して収容して欲しい」と懇願されたが、数十年前の精神病院ならいざ知らず、今はそんなわけにもいかない。警察に相談しても、家族の問題ですから、と取り合ってもらえない。両親は思い余って保健所に相談したが、保健所の職員が自宅を訪問すると、本人は「何しに来やがった!」と激しく興奮し、職員は逃げ帰るありさまである。

ところが、ある時ひょんなことから工場のアルバイトをすることになった。すると、意外にもうまくいって、そのうち正社員に取り立てられた。もう、それから1年になる。今では本人がきちんとした格好で診察を受けに来る。会話の中では冗談も出る。以前とは、まるきり別人である。薬は最近、本人の希望で睡眠薬を少し調整しただけで、基本的な薬は全く変更していない。いったい、何が彼をここまで良くしたのだろうか。

結局、この人の場合は仕事が病気を治してくれたようなものである。もちろん服薬を続けた上で本人の努力あってのことだが。

 神経症ではなおさらのことである。症状探し・悪いところ探しに費やしているエネルギーを仕事(職業でなく家事でもボランティア活動でもよい)に向けさえすれば、もともと「病気」ではないのだから、治っていくものである。健康人らしくすれば健康になれるということなのである。

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