神経質礼賛 194.ネットカフェ難民
勤務先の病院がある田舎町にも昨年ネットカフェが誕生した。日曜日には開放病棟の若い患者さんたちがネットカフェに外出するようになった。携帯電話でもメールはできるが、長いメールを作成したりホームページを閲覧したりするのはやはりパソコンの方がはるかに便利である。私はまだ利用する機会はないが、仕事で出張が多いような人にとっては助かるだろう。
都会のネットカフェや漫画喫茶では、住居を持たないフリーターが寝泊りすることが社会問題化していて、ネットカフェ難民としてテレビや新聞で報道されている。平成19年5月18日付毎日新聞夕刊特集ワイドは「ネットカフェ」ルポで「安心感求め狭小空間へ」という大きな見出しが付いていた。取材に応じた男性は39歳で工場の深夜勤専門。手取り月収は22万円位。家賃が高いので家財道具はレンタルスペースに預け、ネットカフェに定住しているという。お金は全く残らず、ギリギリの生活だそうである。しかし、このケースは収入的にはかなり恵まれている方ではないだろうか。古い安アパートを探せばいくらでもあるはずで、一人暮らしなのだから節約すれば月15万円位の生活費で十分やっていけるし貯金もできるのでは、と疑問に思う。結局、わずらわしい人間関係を避け、掃除やゴミ出しなどの面倒を嫌ってのことなのではないかと思う。その点、神経質人間ならば、「もし病気になったらどうしよう」「将来が不安だ」と考えて節約して少しでも貯金する、という行動に出るだろう。他のいくつかの報道を見ると、ネットカフェは現実には月10万程度の収入でその日暮らしの若者たちの居場所になっているらしい。お金が尽きると、ファーストフード店にコーヒーおかわりで長時間居座る、いよいよその金もないと公園のベンチで野宿ということだ。こうなるとホームレス予備軍である。
都会の一等地には議員様や高級公務員様向けの超格安の議員宿舎・公務員宿舎があり、それも空室がかなりあるという。実にもったいない、税金の無駄遣いである。一戸につき数人ずつ「ネットカフェ難民」に住んでもらえば、強力な支援策になり、空室にしておくよりは多少でも家賃収入が国や地方公共団体の収入となるわけだから、一挙両得ではないかと思うのだが、このアイデアはいかがであろうか。
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