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2007年9月 5日 (水)

神経質礼賛 222.理不尽な要求

 近頃、「理不尽な要求」というものが問題になっている。学校の教師に対して、自分の子供には掃除をさせるなとか、ささいな子供同士のけんかなのに相手の子供を転校させろとか、まるで子供のような要求を突きつけてくる親が増えているのだそうである。すぐに「訴えてやる」と声高に叫ぶ親もいるらしい。その結果、対応に悩んで、うつ病になる教師や、学校を辞めてしまう教師が出ているという。各地の教育委員会では対応に追われている。親対応の専門職員を配置したり、警察と連携したりするような動きもある。

医療機関でも似たようなことが起こっていて、待ち時間が長いとか、希望の薬が出なかったとかの理由でスタッフに暴言を吐いたり暴力を振るったりするケースが増えている。特に病室で処置や介助にあたる看護師さんや外来診察中の医師がターゲットになりやすい。救急外来では、緊急性がないのに昼間忙しいからと夜受診し、すぐに内視鏡検査をしろ、などと勝手な要求をするような人も増えているという。このようなトラブルに対応するため、北海道大学病院では警察OBを常駐する対策を取っているという。

私が体験した例は115話に書いたように、外来初診で希望の睡眠薬を処方するよう要求して暴力沙汰寸前になり、さらに事務員を威嚇して診療費を払わずに帰ったというものがある。他には私が当直の晩、長く入院していた患者さんが容態急変で亡くなられ、集まったご遺族に状況を説明したところ、毎月面会に来ていたお子さんは納得され、「大変お世話になりました」と言ってくれたが、近くに住んでいても面会に来なかったもう一人のお子さんが、霊安室が汚い、死者の尊厳をどう思っているのか、おたくの病院ではまともに検査をしているのか・・・と次々と言い出し、私は深夜の霊安室で1時間以上吊るし上げられたことがあった。

 こうした現象は、学校の給食費不払い、病院の治療費不払い、などと合わせて考えれば、一部のモラルが低い人間だけの問題というような話では済まないであろう。自己中心的で他人の立場に配慮がなく、たとえ自分の義務を果たしていなくても平然と自己の権利だけを声高に主張する風潮、またそうしたゴネ得を許す風潮が日本全体を覆いはじめているのではと危惧する。今や15話で述べた「ヒステリーの時代」そのものである。

 他人がどう思うかに敏感で小心者の神経質人間には、理不尽な要求はできないものである。

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コメント

最近のエントリで、新型うつ病と自己愛のことが気になっていました。貴ブログでちょっとわかりました。
拙ブログもご覧ください。わたしは、もともと経営学の出身ですが。

ohmasakun様

コメントいただきありがとうございます。貴ブログ拝読いたしました。職場のメンタルケアに御関心がおありなのですね。

最近は上司と折り合いが悪い、というような職場上の問題が精神科外来に持ち込まれて(本人がそのために「うつ病」になったと称して受診)、これは医療で解決する問題なのかと疑問に思うケースが多々あり、正直言って困っています。

職場での人間関係が希薄になっていること、成果主義でギスギスした雰囲気になっていること、当事者自身も未熟なパーソナリティを持った人が多くなって他罰性が強くなっていることなどが原因かと思っています。

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