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2008年1月 7日 (月)

神経質礼賛 263.柔順

 従順・柔順を国語辞典で引くと、性格、態度が素直で逆らわないこと(従順)、もの柔らかでやさしく素直なこと(柔順)、となっており、現在は「従順」を用いるのが一般的、とのことである。

 今まで数多くの神経症の人を診てきて思うのは、良くなって社会や家庭でうまくやっていけるかどうかは、「柔順」かどうかにかかっている、ということである。治っていかない典型的なタイプは、自分が今苦しんでいるのは親のせいや環境のせいだと周囲を恨み、グチばかりこぼして努力しない人である。一方、素直に努力していく人は驚くほど治りもよいし、社会や家庭でもうまくいくものである。

 貧乏な家に生まれた、容貌に恵まれなかった、持病や障害がある、などといったことをいくら恨んだところで何の足しにもならない。恨めば恨むほど性格もひねくれて、周囲からは嫌われるばかりである。たとえ五体不満足だったとしても、与えられたものを最大限生かして努力していけば、自分も幸せになり、周囲の人たちをも幸せにすることができるのである。

 柔順とは何でも言われたとおりにするということではない。生活の発見会の創始者・水谷啓二さんは、強迫観念に苦しみ森田先生の治療でよくなり、東大を卒業してジャーナリストになった人である。その水谷さんは森田先生から、治りたければそこで3べん回ってお辞儀をしてみ給え、と言われてその通りにしたら、先生に叱られた、というエピソードがある。先生いわく「それは柔順ではなく盲従だ」と。

 森田正馬先生の色紙には柔順(従順)について書かれたものがいくつかある。

① 自然に服従し境遇に従順なれ

② 柔順なるものは常に自分を我がままもののやうに思ふ

③ 柔順ほど安楽なるものはなし

 私は①の言葉はあまり好きではなかった。特に「服従」という言葉に抵抗を感じた。しかし、年を取るにつれ、だんだん理解ができるようになってきた。加齢とともに肉体的な健康は徐々に失われ、自分を支えてくれた人々もだんだん亡くなっていく。そしてやがて自分が逝く番が来るだろう。エントロピー増大の法則には逆らえない。与えられた境遇の中で最大限努力して自分の使命を果たしていく他はないのだ。そう覚悟を決めると、不思議な安心感が沸いてくる。まさに③である。そして②のように自分のわがままな点・素直でない点を反省するのである。

 神経質を生かすカギは「柔順」にある。

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コメント

「自然に服従し境遇に従順なれ」
30年以上前からこの言葉は目にしていましたが
真意はまるで分かっておらず実践もできませんでした。
きのうも母の付き添いで通院したのですが狭い待合室で混んでいても足を組んでいるバカ人間がいます。そういうのを見ると自分より年上でもどやしつけたくなるのですが、ふと「自然に服従し境遇に従順なれ」を思い出しまして、やり過ごしました。
 四分先生がお書きのようにこの言葉は深いです。そして最短最速の強力な教えです。
 森田先生がどこかで「早く治せば良いものを・・」と書いていらっしゃいました。
 ゴミのまま朽ち去る前に「性を尽くし」たいものですhappy01

たらふく様

 お母様の付き添い、お疲れ様でした。
医療機関で待っている時間は本当に長く
感じられるものですね。そして、行儀の
悪い人がつい気になって、「怒」メーター
が上昇してしまいますね。しかし、そこ
に来ている目的を考え、何とも仕方なし
ということで、やり過ごされたのは最善
の対応かと思います。そのうち「怒」メー
ターも「感情の法則」に従って下降する
ものです。

 

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