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2008年1月25日 (金)

神経質礼賛 269.運命は切りひらくもの(2)

 「運命は切りひらくもの」の著者である岸見勇美さんはフリージャーナリストであるが、御自身が強迫神経症に苦しんだ経験を持っておられる。著書の中には経済・経営関係ばかりでなく「ノイローゼをねじふせた男」「森田正馬癒しの人生」といった森田療法関係のものもある。一方、今まで岡本常男さんの書かれた「ビジネスマンのための心の危機管理術」「自分に克つ生き方」はビジネス書の名著として知られているが、謙虚な岡本さんは自慢話と受け止められそうなエピソードはすべてカットして書いておいでなので、今回の出版は岸見さんの公正な目で見た岡本さん像だと言えよう。

 岡本さんの人生には「運命を切りひらいた」と言える大きなヤマがいくつかあるが、その一つ、岡本さんがシベリア抑留生活から奇跡的に生還できたのは、神経質の持つ強い「生の欲望」や粘り強さ・敏感さといった性格特徴が大きく寄与していたことがわかる。命じられたまま重労働に従事していたら体が丈夫でない岡本さんは助からなかっただろう。極限状況の中で生き延びるために必死にロシア兵士から言葉を学び、辞書メモを作り、3ヶ月で片言の会話ができるようになって、ついにロシア将校に認められて通訳となり、重労働から開放されたのだという。この体験はその後、苦難に遭遇した時にそれを乗り切っていく原体験となったことと思う。

 この本を読み終えて、私自身の人生を振り返ってみると、若い頃は、大学受験失敗、失恋、父親の闘病生活と死、不本意な就職、うつ体験、医大再入学といったヤマがいくつかあったが、岡本さんのそれに比べれば高さが10分の1にも満たない小さなヤマに過ぎない。運命を切りひらいたなどと大それたことは言えないが、苦しい時にクヨクヨしながらもどうにか踏ん張ってきて今の自分があるのは神経質な性格のおかげだと感謝している。

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コメント

貴重な情報をありがとうございました!財団については全く知りませんでした。私財40億円とはすごいですね。それほどに「神経質」の特性を社会で生かす可能性に賭けておられるのでしょう。神経質の長所を用いれば、個人だけではなくて社会全体も創造力に満ちたものになりそうですね。財団のサイト、読みごたえがあります。

コメントいただき、ありがとうございます。メンタルヘルス岡本財団のHPはとても充実しています。神経質が行き届いたHPだと思います。また、財団の図書室には森田療法や神経症関連の書籍が多数揃っています。図書室の責任者でホームページの担当もされているmandyさんは、御自身パニック障害(不安神経症)を森田療法で治された経験を持ち、生活の発見会でも後輩を指導しておられます。

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