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2008年2月19日 (火)

神経質礼賛 277.弱くなりきる

 前話の「負けるが勝ち」に近い森田の言葉は、「弱くなりきる」だと思う。森田正馬先生は次のように言っておられる。

 なお赤面恐怖の人に一言注意したいのは、自分が小さい、劣等である、どうにもしかたがないと、行きづまった時に、そこに工夫も方法も、尽き果てて、弱くなりきる、という事になる。この時に自分の境遇上、ある場合に、行くべきところ・しなければならぬ事などに対して、静かにこれを見つめて、しかたなく、思いきってこれを実行する。これが突破するという事であり、「窮して通ず」という事である。すなわち「弱くなりきる」という事は、人前でどんな態度をとればよいかという工夫の尽き果てた時であって、そこに初めて、突破・窮達という事があるのである。(森田正馬全集第5巻 p.282

 これは赤面恐怖に限らず、他の神経症症状に悩まされている人にも言えることである。症状に追い詰められて、まさに背水の陣となった時に、「恐怖突入」で思い切って行動すると、予想外の成果が得られるものである。森田先生御自身、学生時代に「神経衰弱・脚気」と診断され、たまたま親からの仕送りが滞り、もうどうにもならないところまで追い詰められた。当時、「神経衰弱」は不治の恐ろしい病気だと思われていた。思い切って薬をやめて症状は放置して勉強したところ、試験の成績は思いのほか良く、いつの間にか症状も消散していた、という経験を持っておられる。さらに、この経験がのちの森田療法につながったとも言われている。

 ちょっと脱線するが、現在20歳前後の方は、小さい時に「おばけのホーリー」というNHKアニメ(原作は「よわむしおばけ」という児童書)を見たことがあるだろう。またその親世代の方はお子さんと一緒に見ていたかもしれない。主人公のホーリーはチョコレートでできた茶色のかわいらしいオバケで、いろいろな形のものに変身できる能力を持っているが、とても気が小さく、人間をおどかすという「仕事」がうまくできない弱虫オバケである。いじめっ子たちとその飼い猫からいつも逃げ回っている。そのためオバケ仲間や主人の魔女からは叱られてばかりいる。しかし、切羽詰って大ピンチに陥ると、機転を利かせ変身能力を最大限利用して大活躍するのである。まさに「弱くなりきる」「窮すれば通ず」なのである。

 神経質人間は負けず嫌いで少々プライドが高い面を持っている。そのため強がりたがってなかなか弱くなれないのである。しかし、「弱くなり切る」ということを体得すると、大きな飛躍ができるものである。

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