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2008年4月11日 (金)

神経質礼賛 294.困った個人情報保護

 個人情報保護法が本格的に施行されて3年になる。良い面はあるが困ったこともいろいろある。病院関係では知人のお見舞いに行った際、病室にネームプレートがなくて探せないとかナースステーションで聞いても教えてもらえない、といったことが起きている。もし個人情報が漏れて不利益を受けた場合、病院側が訴えられて敗訴することは確実なので、病院側としてはあれこれ気を配らねばならない。その辺は神経質人間が得意とするところではある。電話での「○○さんは入院していますか?」という問い合わせには「お答えできません」ということになる。家族や親族と名乗る人からの電話であっても、本当に家族や親族かどうかわからないし、本人の意思で入院していることを親にも知られたくないというケースもまれにはあるからだ。病院間で転院相談や他院外来受診の際に送付するFAXは患者さんの氏名・生年月日といった基本的な情報や本文の一部が黒マジックで塗られているため、何かと不便である。

 先日、私が外来で担当している統合失調症の患者さんについて警察署から電話で問い合わせがあった。「寝ている時に侵入者に襲われた、という届出があったが、おたくの病院にかかっていると聞いたので、被害妄想がある人かどうか聞きたい」ということだったらしいが、私が公休日のため事務担当者が断り、警察からは文書で「捜査関係事項照会書」が送りつけられてきた。従来ならば、この程度の照会であればケースワーカーが電話対応して片付くところなのだが。結局、外来担当で忙しい土曜日にあわてて「回答書」を作成するハメになった。

 事務担当者の話だと、最近困ったのは、痴呆症状で閉鎖病棟に入院している人が病棟の公衆電話からタクシーを呼んでしまった時の対応だったという。タクシーの運転手が受付で「○○さんはいますか?」に「お答えできません」と例によって答えたら、「何で答えられねーんだよ!!」と運転手は激怒したという。確かに激怒するのも無理もない。そこで事務員はわざと聞こえるように病棟に電話をするふりをして「○○さんがタクシー呼んじゃったけど外出許可は出てないよねー」と言うと、運転手氏は状況がわかって黙って帰っていったという。何ともお気の毒である。

 個人情報保護は基本的には大切なことだが、あまり行き過ぎると多くの人が不利益を受けることもある。そろそろ見直しの時期ではないだろうか。

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コメント

こんにちは!今日は試験でした。「神経質」を生かして準備しましたが、一科目は落としてしまいました・・・。6月に再挑戦します。それにしても先生ですら入院されている知人の方に会えないとは。その一方で、先日、入院部屋で誤って暴力団組員に射殺されてしまった人もいますし・・・。個人情報保護法に限らず、何か本質的なものが忘れられているケースが多々あります。

コメントいただきありがとうございます。大変な試験のようですね。「神経質」でなければ2科目も3科目も落とすところだったでしょう。再試験での御健闘をお祈り申し上げます。
「本質的なものが忘れられている」は全くおっしゃる通りだと思います。法律を作る専門家にも森田正馬先生の言われる「何事も ものそのものになってみよ!」と喝を入れなければならないようですね。

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