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2008年4月18日 (金)

神経質礼賛 296.がんと森田療法

 地元の県立がんセンターから「がんよろず相談Q&A第4集 乳がん編①」という冊子が勤務先の病院に送られてきた。平成15年に行われたがん体験者の全国調査から乳がん体験者1904人分(うち、何らかの部位への転移・再発が認められたのは465人)のデータのまとめが掲載されていた。乳がん体験者の悩みで最も多かったのは「落ち込みや不安や恐怖などの精神的なこと」であり複数回答で63.7%にものぼっていた。「痛み・副作用、後遺症などの身体の苦痛」が2番目で56.8%、次が「これからの生き方、生きる意味などに関すること」で40.6%であった。つまりがんそのものの苦痛よりも精神的な苦痛の方が大きいことがよくわかる。

 医学の進歩でがんの治療成績は向上してきている。特に乳がんは放射線療法などを効果的に用いることでかつての乳房切断・腋下リンパ節郭清といった大手術は減り、乳房温存により治療後のQOL(生活の質)も向上してきている。しかしながら転移や再発への不安を感じている方が多いのは当然である。

 神経症の治療法である森田療法をがん治療に応用したのが「生きがい療法」である。創始者の伊丹仁朗先生は内科医だったが、強い死の不安に苦悩し強迫神経症に似た症状を呈したがん患者さんに森田療法を行ったところ、精神状態の改善ばかりでなくがん自体の症状も改善した。このことが生きがい療法を生み出すきっかけとなった。生きがい療法では5つの基本方針を掲げている。

1.自分が主治医のつもりで病気との闘いに積極的に取り組む

2.今日一日の生きる目標に打ち込む

3.人のためになることを実行する

4.不安・死の恐怖はそのままに、今できる最善の行動をとる

5.死を自然界の事実として理解し、今できる建設的準備をしておく

 1はとても重要なことで、最近の研究では闘病意欲が高いほど生存率が高く、それにはNK(ナチュラルキラー)細胞の活性化が関与しているそうである。

がんであるなしにかかわらず2-5は森田的生き方として実行する価値が高いことだと思う。

 たとえ今のところがんと診断されていなくても、誰の身体にもがん細胞は潜んでいて免疫シズテムが知らない間にがん細胞と闘っているのである。生きがい療法の基本方針すなわち森田的生き方はがんの予防にもなる可能性があると思われる。

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