フォト
無料ブログはココログ

« 神経質礼賛 303.硫化水素自殺 | トップページ | 神経質礼賛 305.モラル・ハザード »

2008年5月 9日 (金)

神経質礼賛 304.入院証明書

 連休明けに出勤すると、予想通り大量の書類が溜まっていた。自立支援医療や障害手帳の診断書は年々増える一方である。先送りしたところでいつかは書かなくてはならないのだから、依頼があったらとにかくできるだけ早目に書いてしまうのが私のモットーだ。これは神経質を生かす仕事法(70話)でもある。外来診療の合間に少しずつ書いていく。休符なしの音符だらけの楽譜を演奏する心境である。仕方なしに森田先生の言われる「休息は仕事の中止に非ず、仕事の転換の中にあり」(24話参照)状態になっているのだが、ちょっと一休みでお茶でもしたくなるのが本音である。

 その書類の山の中には4年前に退院した人の(保険会社に提出する)入院証明書の依頼もあった。退院してから数年経った人の入院証明書の依頼がこのところ増えている。保険金不払いが問題になって、各保険会社が加入者に周知して支払い申請を促しているためだろうと思われる。

 入院証明書は保険会社によって書式が若干異なるが、今回書いた書類では本人に告知した病名とその告知日、家族に対して告知した病名とその告知日の欄があった。同じ保険会社で以前の証明書にはなかったはずなので、最近この欄が追加されたのだろう。外傷や身体的な病気とは異なり、精神科疾患の場合、発病年月を特定しにくいケースがあり、ましてや病名に関しても本人の目に触れる証明書には書きにくいこともあり得る。入院時に渡す治療計画書には病名欄があるのだが、後から診断名が変わることも少なくない。今回書いた人の場合、気分変動が主訴で、軽い躁状態だったが、本当の主診断は演技性人格障害つまりヒステリーであり、DSM(アメリカ精神医学会の診断基準)やICD(WHOの診断基準)を見せて本人に告知もしている。しかし、使用する薬剤の適用からして、保険診療上、人格障害を主病名に持ってくることはあまりしないので、例えば境界性人格障害(通称ボーダーライン)の場合、躁うつ病のような気分障害が主病名とされることが多い。入院証明書は1通1万円なので、ムダになるようでは気の毒だし、かといって誤った記述をすれば、書いた医師の責任が問われるわけで、神経質を必要とするところである。

« 神経質礼賛 303.硫化水素自殺 | トップページ | 神経質礼賛 305.モラル・ハザード »

コメント

先生こんにちは!連休中も主夫業(?)お疲れ様でした。神経質人間はこまめに「ありがとう」や「助かります」等の言葉が自然に出てくるのが長所かと思います。家庭でも職場でもちょっとした一言で雰囲気がガラリと変わりますね。明日、パート主婦の方々が私の送別会を開いてくれるそうで驚きました。普段、頻繁に感謝していたのが良かったのでしょうか。「神経質」に感謝です。

コメントいただきありがとうございます。神経質人間は少々「取っ付きが悪い」ところがありますが、意識して挨拶する習慣を付けると、好感度が大幅にアップするものです。私も、清掃業者など病院に出入りしている人たちにはその日最初に会った時の「おはようございます」以外にも「お疲れ様です」など声を掛けています。
送別会ですか。パートの方々から慕われていたのですね。神経質人間は(たとえ本人はダメだと思い込んでいても)そうでない人よりもきっちり仕事していますから、あなたの抜けた穴は大きいでしょうね。また新天地での御活躍を期待しております。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 神経質礼賛 303.硫化水素自殺 | トップページ | 神経質礼賛 305.モラル・ハザード »

最近のトラックバック

2018年11月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30