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2008年5月 2日 (金)

神経質礼賛 301.ジコピー

 先日、「ガイアの夜明け」という番組で最近の就職活動事情を扱っていた。かつての就職協定がなくなった今日、大学3年生になると就職活動いわゆる「就活」が始まる。学生間でも一人でいくつもの大企業の内定が取れる人と、希望する企業の内定が全く取れない人との格差が広がっているという。学生側でも企業の面接で自己アピールをうまくやるための勉強会「ジコピー」を行っているそうである。番組では「ジコピー」の様子や、実際の面接にカメラが入って、内定が取れずに苦戦している学生さんを追って取材していた。それにしても、大学3年・4年の丸2年間、就職活動に精を出しているようでは、大学教育っていったい何なのか、と言いたくなる。

 日本人は元来、自己アピールが苦手である。「能ある鷹は爪を隠す」で自分の能力をひけらかさないのが美徳でもあった。これがアメリカ人だと指一本でピアノを叩く程度でも「自分はピアノが弾ける」と自慢しがちである。日本でも終身雇用制の崩壊、短期的な業績最優先、といった企業風土の変化の中では、アメリカ流にやっていかないと人柄も才能も優れた人が採用されず、口先のうまい人間ばかりが採用になる、といった現象が起きているのだろう。しかしながらアメリカ流に短期的な利益の追求ばかりやっていると、サブプライム問題のようなことも起こる。自己アピール力ばかり重視しすぎると、とんでもないことになるような気がする。

 神経質人間は特に自己アピールが苦手である。しかし、必要に迫られれば必死になってアピールする力を秘めている。神経質人間の代表の一人、松下幸之助は、自社開発の製品を持って販売店を回り、その長所をアピールしまくった。そうした中で、当時は高価だった自転車用ランプを試用品として販売店に提供し、優秀さを体験してもらうという戦術を編み出し、大ヒット商品にすることができたのである。森田正馬先生の場合も、神経質学説を広めるため、手を替え品を替え、同じ論旨を何度も学会発表してアピールされた。当時、精神分析で有名だった丸井清泰・東北大教授との激しい論戦は語り草となっている。

 就職活動まっただ中の神経質学生さんには、緊張しながらも当たって砕けろくらいのつもりで、自己アピールしていただきたい。そうした中で道は開けるはずだ。神経質の良さを評価してくれる企業は将来有望である。

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コメント

こんにちは!どこの職場も「人材を育成する」時間とお金を節約したいという願望が強いのでしょう。けれども結局は仕事というのは「人間」によって創られていくものだと思うんです。自己PRが得意な人を採用したとしても、その人がすぐに辞めたり育たなかったら意味がないんですよね・・・。どこの職場も余裕がないのでしょうが、もう少しじっくり時間をかけて「人を育てる」環境をつくらないと、ですね。

コメントいただきありがとうございます。まさに言われる通りだと思います。人材の育成は「急がば回れ」なのですが。
新卒採用してもすぐに辞めていく人が増えているとか、派遣社員に依存しすぎて空洞化を招くとか、いろいろな問題が起きています。目先の一手だけでなく、せめて三手のヨミができる経営者が求められる世の中だと思います。

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