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2008年6月 9日 (月)

神経質礼賛 314.ツバメの巣離れと「ひきこもり」

 勤務先の病院には職員通用口近くの壁にツバメの巣がある。年々その数が増えてきたように思える。雨風がしのげて、ネコなどの危険もなく、居住には優良物件ということなのだろう。家主の病院側としては、糞害の問題や鳥インフルエンザの心配はあるが、ツバメが巣を作ると縁起がよい、という話もあって、今のところ撤去せず大目に見ている。まあ、迷惑カラスに比べればはるかに害は少ない。5月中旬頃には、親ツバメが病院に隣接した敷地の木立と巣とをしきりと往復してエサを与えていた。巣から4,5匹のひな鳥が頭を伸ばし大きく口を開けてエサをねだる姿は何ともほほえましい。思わず見とれてしまう。「生の欲望」「純な心」という森田先生の言葉を連想する。5月下旬になると、親鳥にうながされてひな鳥が飛び立ち始める。6月に入ると、巣の周りを子ツバメたちが盛んに飛び回っていて、見ていると目が回りそうである。

 今月末にまた保健所で「ひきこもり教室」の講師をすることになっている。ツバメの巣離れを見ていると、人間の「社会的ひきこもり」は巣離れできないことだと感じる。動物の場合、自分でエサを取り、危険から逃れることができなければ死に直結するから厳しい。親鳥はひなが飛び立てる状態になってくると、簡単にはエサを与えなかったり、羽ばたいて見せて飛び立つことを促したりする。学校で教育されたわけでなくても自然にそれができるのである。ツバメに限らず、他の動物でも、時期がくると巣離れ・親離れをさせていく。キツネの場合はくっついてくる子ギツネに歯をむいて威嚇し、追い払うという。現代社会でひきこもりが増加しているのは、あまりに居心地の良い部屋を与えていつまでもエサを与え続けてしまうところに原因があるのではないだろうか。最近、中国でも富裕層の出現でひきこもり青年が出始めているという。食べていくのに困るような貧困層ではひきこもりは起こらない。何でも親が先回りして準備してレールを敷いてしまうと、子供は自立できないわけである。自分のことは自分でやる習慣をつけていくことが大切である。親は干渉し過ぎず、必要な時だけ適度に援助するのがよい。

 森田正馬先生の色紙に「教育の弊は人をして実際を離れて徒(いたずら)に抽象的ならしむりにあり」というものがある。教育の基本は家庭にあるわけだが、塾に行かせたり、英会話教室に行かせたり、偏差値がどうのこうのと言う前に、自分の部屋の片付けや掃除、衣類を畳んで整理するくらいは自発的にできるようにする必要があるだろう。

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