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2008年10月 6日 (月)

神経質礼賛 353.今時のうつ病

 9月29日付読売新聞の医療ルネサンスというコラムに「今時うつ病事情」ということで、産業カウンセラーの話が載っていた。ここ半年間に面接した「うつ病」関係の会社員30人のうち、きまじめな従来型は10人で、残りの20人は職場を離れると元気になるようなタイプで「職場うつ」「未熟型」「逃避型」「現代型」と呼ばれるものだったとのことである。いわゆる新型うつ病の激増ぶりを反映していると言えよう。

 さらに102日付の同じく医療ルネサンスでは、仕事をズル休みする目的で精神科を受診した人がインターネットで知った「症状」を告げると、数分の診察で簡単に「うつ病だから休養が必要」との診断書を書いてもらえたという話があった。処方された薬は飲んでいないという。SSRIと呼ばれる抗うつ薬は薬価が高い。健康保険の財政状態がピンチだというのに、こんなところで無駄遣いされたらたまったものではない。偽患者が増えては、本物のうつ病の人がすぐに診察を受けられないということにもなる。「うつ」の診断書を錦の御旗にズル休みされては、同僚や上司にシワ寄せが来て、そちらが本物のうつ病になってしまう心配もある。

 9月25日付Medical Tribune(医師向け業界紙)には第5回日本うつ病学会シンポジウムの記事があり、ディスチミア親和型、現代型うつ病、非定形型うつ病の要約が載っていた。

ディスチミア(気分変調)親和型は若年者に多く、規範意識が薄く、常態的にやる気のなさを訴え、罪悪感は薄く時に他罰的という特徴がある。現代型うつ病は職場組織への一体感の忌避、職場への恐怖症的心性、自己中心性などの特徴があり、症状があまりないうちから受診する傾向にある。非定型うつ病は米国精神医学会の診断基準DSMに記載があり、気分反応性(いいことがあると気分がよくなる)、過食・体重増加・過眠、鉛様の麻痺、拒絶や批判への過敏性が特徴である。

最近話題となっている「新型うつ病」は上記3タイプの特徴をいくらかずつ含んでいるが、今まで何度か述べたように、自己愛的なパーソナリティが基盤となっていることを考えると理解がしやすいと思われる。また、「疾病逃避」「疾病利得」といったヒステリーの心理規制も見逃せない。単に「うつ病」と診断して休養とSSRIの処方では問題は解決しない。アメとムチではないが、本人を褒めたり励ましたりで何とか仕事を乗り切らせていくことも必要であり、長い年月をかけて人格の成長により偏ったパーソナリティが改善していくのを待つことになる。

<当ブログ上での参考項目>

神経質礼賛223.新型うつ病

神経質礼賛287.擬態うつ病

神経質礼賛312.「うつ」からの脱却(1)

神経質礼賛313.「うつ」からの脱却(2)

神経質礼賛328.「うつ」は休め?

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