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2008年10月10日 (金)

神経質礼賛 354.ノーベル化学賞の下村さん

 凶悪犯罪に金融危機といった嫌なニュースばかりの毎日に、南部陽一郎さんら日本人3人がノーベル物理学賞に決まるといううれしいニュースが入った。その翌日にはさらにノーベル化学賞にボストン大学名誉教授の下村脩さんが選ばれたというニュースが株価暴落の話題を押しのけて飛び込んできた。最先端の医学研究に欠かせない緑色蛍光タンパク(GFP)を発見したのが下村さんである。

 下村さんは戦後の長崎で薬学を学んだ。まだ原爆の爪あとも残り、勉強する環境としては厳しいものがあったことだろう。大学卒業後は身分の不安定な実験実習指導員をしながら研究を続け、ウミホタルの発光物質の結晶化に成功。名大に移った後、フルブライト留学生としてアメリカのプリンストン大学へ渡った。発光物質を抽出するため家族総出で研究材料のオワンクラゲを捕獲したそうである。通りがかりの人から「何の料理にするんだ」などと声を掛けられたという。きっと「クレイジーな日本人」と見られたに違いない。大量の材料からようやく美しく青色に光る物質「イクオリン」を抽出したが、クラゲは青色ではなく緑色に光る。下村さんはなぜだろうと疑問を持った。さらに調べているうちに別の物質が関与していて、それが青い光を受けて緑色に発光することを突き止めた。それがGFPである。

  下村さんを知る人たちは「とてもシャイな人」という。TVニュースのインタヴューを見ていると少年のままの「純な心」を持った80歳、といった感を受ける。今でも自宅で研究を続けておられる。基礎科学分野の研究には膨大な資金がかかるものが多い。近年は国や企業から多額の研究費を集められる口八丁手八丁の研究者が「勝ち組」になりやすい。下村さんのように家族や少数のスタッフの力で画期的な研究成果を出すのは難しいことである。自分が興味を持ったことを一途に追い続けたことが実を結んだのだ。一つのことを根気よく続けるのは神経質人間が得意とするところである。大いに学ぶべきであろう。何もノーベル賞級の研究である必要はない。我々も仕事、家事、趣味などの日常生活の中で関心を持ったことを継続して追求していけば、いつかそれなりの成果が出るものだろう。

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