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2008年12月12日 (金)

神経質礼賛 374.神経質ではなかったプッチーニ

 今まで何度か作曲家を取り上げてきたが、今回は今年生誕150周年にあたるイタリアの作曲家プッチーニである。オペラに全く興味のない人でも、歌劇「蝶々夫人」のアリア「ある晴れた日に」は耳にしたことがあるだろう。また、トリノオリンピックのフィギュアスケートで金メダルを取った荒川静香さんの演技でBGMとして使われたのが歌劇「トゥーランドット」から「誰も寝てはならぬ」だったのは記憶に新しい。

 作曲家には神経質な人が比較的多い。モーツァルトのように頭の中でスコアが出来上がっていて後は書くだけというような超天才はそれほど多くなく、完全欲が強く、書いては破り捨て、発表した後も何度も改訂版を出すような強迫的な作曲家も少なくない。プッチーニは不安神経症だったという説もあるのでちょっと期待(?)したが、どうも神経質ではなかったようだ。

 ジャコモ・プッチーニ(1858-1924)は代々宗教音楽にたずさわる家に生まれた。教会でオルガン奏者をしていたが、ヴェルディの歌劇「アイーダ」を見て触発され、オペラの作曲を始めた。「マノン・レスコー」の成功を皮切りに、「ラ・ボエーム」「トスカ」「蝶々夫人」を発表した。その陰では、歌劇の台本作家に対するわがままぶりは有名だったという。また、音楽院院長への就任を依頼されたが、教育は面倒な仕事だと考えて断っていたという。最期は、喉頭癌のX線治療中に心臓麻痺を起こして急死している。

 私生活では、人妻と駆け落ち(夫の死後に正式に結婚)したり、狩猟に凝ったり、モーターボートに凝ったり、当時はまだ珍しかった自動車に凝ったり、ということで派手好き、遊び好きの面があった。自動車事故で大けがもしている。その際に付き添いとして雇った若い小間使い女性との関係を妻が疑っていじめたため、その小間使いが服毒自殺するという事件が起こり、裁判になって新聞に書きたてられた。どうやらプッチーニ本人も奥さんもヒステリー性格だったようである。激しい恋に命を燃やし恋に破れて自殺して行く様を歌劇で表現したのも、ヒステリー性格を生かしたものだったと言えよう。男女関係が地味な神経質ではこうはいかない。

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コメント

連日のコメントですが、
「男女関係が地味な神経質ではこうはいかない」という一文に
思わず書きたくなりました。

神経質って、やっぱりそうですか?

WK様
 コメントいただきありがとうございます。森田先生の「神経質は重い車」という比喩は男女関係にも言えそうです。神経質人間はあれこれ考えてしまうので、好きな人に気安く告白するのは苦手です。逆にモーションをかけられても、慎重に考えすぎて引いてしまいがちです。その代わり、悪い虫に付かれる心配(?)もありません。
 ヒステリーはくっつきやすく離れやすい、神経質はくっつきにくく離れにくい、といったところでしょうか。神経質な人で離婚する人は少ないように思います。

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