フォト
無料ブログはココログ

« 神経質礼賛 393.中国で徳川家康ブーム | トップページ | 神経質礼賛 395.二月は逃げる »

2009年2月 9日 (月)

神経質礼賛 394.忠正廃業

 私の実家の近くに「忠正(チュウマサ)」(吉屋酒造)という約250年続く酒造所がある。勝海舟もここの酒を飲んだという。同じ県内の「磯自慢」「花の舞」「富士錦」ほどメジャーではないが地元のファンには根強い人気がある。店は昔風のたたずまいで、入口に面した陳列棚の奥が帳場になっている。さらに奥には山を背にして工場があり、古い煙突が目を引く。私は子供の頃からここの酒粕の甘酒に親しんできた。とてもいい香りがして、飲めば体がホカホカ温まり、顔も赤くなった(これは赤面恐怖とは関係ない)。結構アルコール分が残っていたようで、私が酒飲みになってしまった一因かも知れない。毎年暮れには新酒のにごり酒が出るので、近年では弟が帰省してくると、それを飲みながら鍋をつつくというのが恒例になっていた。妻の友人にも大の日本酒好きがいて、ここのにごり酒を毎年1本プレゼントしていた。

 ところが、昨年の暮れ、いつまで待っても店頭に「にごり酒」の貼り紙が出ない。聞けば杜氏(とうじ:酒造りの職人さん)が病に倒れて、仕込ができなくなった、とのことだった。そしてついにこの3月で廃業が決まったそうだ。

 どこの酒造所も日本酒離れによる消費低迷・後継者難という問題を抱えている。BS-iの「吉田類の酒場放浪記」という番組を見ていると、長年続いた造り酒屋が廃業して日本酒専門店になったり酒場になったりという例もあるようだ。よい酒を造るには大変な努力と根気が必要であり、神経質さも要求される。日本各地にはその地独特の食材や郷土料理があり、それに合った酒が造られてきた。これもいわば伝統文化で、その灯が消えていくことは惜しい限りである。

 私は子供の頃は和食の煮物や酢の物は苦手だった。しかし、大人になってみると、そうしたものが無性に食べたくなる時がある。若い頃、日本酒は敬遠していた。日本酒の臭いが性質の悪い酔っ払いオヤジを連想させるためだろうか。しかし、煮物や酢の物と同様だんだん日本酒もいいものだ、と思うようになった。子供の時の「刷り込み」のせいか、はたまた日本人のDNAのたまものだろうか。たまの「ハレ」の日には和食に適量(?)の日本酒といきたいものである。

« 神経質礼賛 393.中国で徳川家康ブーム | トップページ | 神経質礼賛 395.二月は逃げる »

コメント

先生、こんにちは。
お酒の話題なので、お邪魔いたします。
この四月から、私も先生と同県人になります。
なにとぞよろしくお願いいたします。

まことにうかつだったのですが、
私の故郷のF市の地酒がとてもおいしいことに
遅ればせながら数年前に気づき、
特に「杉錦」山廃の純米酒などは
病みつきになっております。

先生と同じく、子供のころから酒がす党であった私は、
確か小学校二、三年のころだったと思いますが、
お祭りでふるまっていただいた甘酒を
多量に飲んだため、すっかり酔っぱらってしまい、
近くにあった段ボールの中に入って夜まで寝てしまい、
捜索隊が出るといった事件を起こしてしまったことがあります。

それも、あまりにも美味な酒がすのせいだったのに違いありません。

また近いうちに、お酒をご一緒できることを
楽しみにしています。

四分休符さん、こんばんは~。
確かに、食べ物の好みは大人になってから段々と変わってきますね。
僕も今では完全な和食党です。

日本酒ですが、僕は若いころから日本酒はダメで、熱燗は全く飲めません。
もっぱらビール党でしたが、40代になってから美味しい日本酒(冷酒)に出会い、冷酒を時々飲んでました。量はほんの少しですが・・・
冷酒に和食の肴は合いますよね。

50代から抗鬱剤を飲むようになってからはお酒がほとんどダメになり、少し寂し思いをしています。

四分休符さんが日本酒を美味しく飲めるのは、健康な証拠ですね。
仕事を終えてからの日本酒・・・美味しいでしょうね。

keizo様
 コメントいただきありがとうございます。そうですか。keizoさんも幼少時から酒粕党だったのですね。「杉錦」は初めて聞く名前ですが、やはり小規模な酒蔵所に良い酒があるのではないかと思います。有名になって大量生産になるとどうしても質が落ちるのでしょう。まだまだ隠れた銘酒があるのかも知れません。鄙びた造り酒屋の持つ日本的情緒は残したいものです。
 またよろしくお願いいたします。

スローライフ様
 コメントいただきありがとうございます。私も若い頃は熱燗は臭いだけでダメでした。もっぱらビールと蒸留酒系でした。中年になったあたりから和食に冷酒が合うと感じ始めました。スローライフ様の住んでおられる地域は有名な酒どころが多いかと思います。
 現在主流のSSRIやSNRIはアルコールとの相互作用は少ないのですが、やはりアルコールは睡眠の質を悪くしますし、量を飲んでしまうと翌日の体調にも響きますので、味を愉しむ程度がよいかと存じます。きっとまた良くなられて美酒を楽しまれる日が来ることでしょう。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 神経質礼賛 393.中国で徳川家康ブーム | トップページ | 神経質礼賛 395.二月は逃げる »

最近のトラックバック

2018年11月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30