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2009年3月20日 (金)

神経質礼賛 407.「うつ偽装 簡単」

 平成21年3月18日付の読売新聞に、「うつ偽装 簡単」という大きな見出しで、札幌市内の詐欺グループ5人が逮捕されたという記事があった。うつ病の体験記を読んでうつ病を装って精神科クリニックを受診すると、15分ほどの診察で簡単に薬が出た。2回目の受診で「会社を休んでいるから」と傷病手当金の意見書を医師に書いてもらった。この詐欺グループの会社の架空支店に勤務しているという名目で社会保険事務局から傷病手当金を騙し取ったということである。大きな病院だと怪しまれるので、小さなクリニックを狙って「受診」したとのことだ。犯人たちは口をそろえて、いとも簡単に騙せた、と言っているそうだ。

 病気で休業中の人の生活を守り安心して療養に専念できるようにする制度を悪用した卑劣な犯罪である。それにしても、医療機関側で見破ることはできなかったのだろうか。確かに本人がうつ病のふりをふれば、ウソを見破るのは容易ではない。以前にもうつ病のふりをする「患者」についての報道があった(353話)。しかし、本物のうつ病は初診時に家族や上司に連れられて来ることが多いし、もし一人で受診したとしても自殺予防や本人への対応法を説明する必要から、「次は御家族と一緒に来てください」というのが普通である。初診時には生活歴を聴取する際、これまでどういう仕事に就いてきたか、現在の仕事内容や残業・休日出勤状況や上司・同僚との人間関係などは必ず聞くし、簡単な心理検査も行うので、どこかでボロが出るだろう。また、2回目の受診で傷病手当金の意見書を要求されることは普通ありえない。欠勤を有給休暇で処理しきれなくなって1ヶ月以上してから意見書を書くからである。「気分が落ち込んで夜も眠れない」というような訴えを聞いただけで「うつ病」の診断をつけて安易に抗うつ薬などを処方し、診断書や意見書を乱発する風潮がありはしないだろうか。

 ただでさえ精神科外来には、いくつもの医療機関をかけもち受診しては睡眠薬や抗不安薬を乱用する人、密売用の薬の入手目的で受診する人、病気でもないのに休業の診断書欲しさに受診する人などがやって来る。時には演技で涙を出さずに泣く人もいる。ウソを見破ることにも神経質を活用しなくてはならないのは悲しいことである。

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