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2009年3月 2日 (月)

神経質礼賛 401.強迫的な作曲家たち(1)ブルックナー

 強迫神経症だったと言われる作曲家ショスタコーヴィチについては以前書いた(138話)。今回はシリーズで、やはり強迫神経症だったと言われる大作曲家を取り上げてみる。まずは、アントン・ブルックナー(1824-1896)である。

 ブルックナーはオーストリアの作曲家で、もとはオルガン奏者である。作曲家としては極めて晩成型であり、30歳を過ぎてから作曲を学び、交響曲を作り始めたのは40歳に近くなってからである。代表作の交響曲第7番を世に出して人気を得たのは60歳頃である。ブルックナーの交響曲はヨーロッパ特にドイツ・オーストリアでは極めて人気が高い。初期の交響曲ヘ短調、交響曲第0番から未完成の第9番まで計11曲を作曲している。日本ではそれほど知名度は高くないが熱烈なブルックナー好きはいるし、朝比奈隆(1908-2001)さんの指揮による大阪フィルの演奏は海外でも高く評価された。

 ブルックナーの交響曲には際立った特徴がある。弦楽器のトレモロで始まる曲が多く、曲想が変わるところで管弦楽全体を一旦休止させることがしばしばある。また、ブルックナー・リズムと言って2+3あるいは3+2の音型がよく登場する。同じ旋律の繰り返しも多い。そして演奏時間が長い大曲が多い。1曲聴けば、満腹でご馳走様と言いたくなる。演奏会では交響曲1曲で終わり、というプログラムにもなりやすい。そして「版問題」がある。ブルックナーは一度発表した曲にもこだわりが強く、自分で何度も改訂版を出している。さらに弟子たちが校訂した版があるのに加えて、国際ブルックナー協会が原典版を2回出した(ハース版とノヴァーク版)ため、ややこしくなっている。作風といい改訂を繰り返したあたりはまさに完全欲が強い強迫の特徴がよく表れていると思う。

 ブルックナーは厳格なカトリック信者で、流行遅れの服装に身を包み、純朴な性格だったと言われている。女性には縁がなく、生涯独身だった。晩学ながら作曲家として大成できたのは神経質の粘り強さのおかげだったのではないだろうか。

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