フォト
無料ブログはココログ

« 神経質礼賛 410.不即不離 | トップページ | 神経質礼賛 412.歴史を変えた神経症 »

2009年4月 1日 (水)

神経質礼賛 411.二人に一人は「あがり症」!?

 今日から新年度。新しい環境の中で緊張した一日を過ごされた方もおられるだろう。スロースターターの神経質人間は環境の変化に慣れるまで時間がかかるものである。当分はまごまごしながら何とか毎日が過ごせていければよく、焦る必要はない。

 医師向けのMedical Tribuneという新聞326日号の特別企画として「社会不安障害におけるシグマ受容体の役割とフルボキサミンの可能性」という記事があった。フルボキサミンとは日本で最初に発売された新型抗うつ薬SSRIで商品名はデプロメールあるいはルボックスである。社会不安障害SAD(「社交不安障害」に名称変更)の適応もあり、製薬メーカーはこの分野での売り込みに力を入れている。最近ではシグマ1受容体に作用することで神経可塑性を改善し、脳内神経の再構築促進作用があるということがわかってきている。

 この記事の中で、2005年に一般市民を対象にしたインターネット調査で「人前で話をする、食事をする、字を書くなどのときに緊張しますか」との質問に46%が「緊張する」と答えており二人に一人があがり症だとしている。またアメリカの研究ではSADの生涯有病率は13%という数字も出ているとのことだ。そこで早くこの「病気」を発見してSSRIを飲ませて「治療」しよう、という製薬メーカーの戦略に沿った大学教授たちの発言なのだが、本当にそうなのだろうか。

 インターネット調査だから回答者層には偏りがあるはずでいくらなんでも5割ということはないだろうが、少なくとも1-2割くらいの人はあがり症に悩んでいると私は推測している。そもそもこれだけ多くの人がそういう状態で普通に社会生活しているのを「病気」として薬で「治療」すべきだという考え方はいかがなものか。製薬メーカーは大儲けだが、医療費がパンクする。それに、薬を飲んで不安が軽減されるメリット以外に、薬の副作用、さらに私が以前から主張しているように神経質の良さも失われてしまうデメリットもある。それよりも森田療法の考え方で、緊張するのは仕方なしとして行動していく習慣づけをしていくのであれば全くお金もかからない。もちろん認知行動療法でもよい。シグマ1受容体云々でなくても森田療法などの精神療法でも脳内神経の再構築が行われるのではないかと想像する。もっともそれを検証することは試験管的な実験ではできないので極めて困難だし、巨大な製薬メーカーがバックについた研究と違って研究費も得られないから、精神療法の神経細胞レベルでの効果を検証する研究はいつまでたっても進まない。

 私は今でも人前で激しく緊張し、赤面し、あがる。講演の前にはおなかの具合も悪くなる。しかし、病気だとは考えないし、まあこんなものだ、と思っている。逆に神経質だからこそ事前にいろいろと準備を重ねるのでよい面もある。「神経質は病氣でなくて、こんな仕合せな事はありません」(白揚社:森田正馬全集第4p.386)と森田先生の言われた通りである。

« 神経質礼賛 410.不即不離 | トップページ | 神経質礼賛 412.歴史を変えた神経症 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 神経質礼賛 410.不即不離 | トップページ | 神経質礼賛 412.歴史を変えた神経症 »

最近のトラックバック

2018年11月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30