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2009年4月10日 (金)

神経質礼賛 415.イチロー選手と胃潰瘍

 先日のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本のイチロー選手はなかなか調子が上がらず、ようやく決勝戦での活躍で日本に勝利をもたらした。その後も体調不良で出血性の胃潰瘍だったことが判明し、治療のため大リーグ開幕戦からの出場ができなくなってしまった。WBCでの強いストレスが原因だったのではないかと言われている。

 胃の中では消化のために塩酸が作られているが、強い酸の中で胃壁の細胞は巧妙な仕組みで自分を守っている。攻撃因子と防御因子のバランスが崩れるとその仕組みが崩れて胃潰瘍になってしまうと考えられている。バランスを崩す原因としては非ステロイド抗炎症薬(解熱鎮痛剤)、ストレス、喫煙、コーヒー、アルコールなどがある。近年ではピロリ菌感染も大きな要因と考えられている。有名な「ガスター」に代表されるH2ブロッカー、さらには強力な胃酸抑制作用を持つプロトンポンプ阻害剤(PPI)が登場してからは、胃切除手術が行われることは極めて少なくなった。ピロリ菌を除菌する治療法も効果をあげている。

 まじめで几帳面な性格の人は胃潰瘍・十二指腸潰瘍になりやすい、ということが言われている。ストレスをまともに受けて胃の調子を悪くしやすいということで、神経質な人はハイリスクかも知れない。しかし、神経質だと早めに医療機関を受診したりタバコや酒を控えたりするので大事に至らないという面もある。イチロー選手の普段の「仕事ぶり」を見ていると明らかに神経質人間だと思う。ホームランか三振かという豪快なバッターではなく、相手のスキをつく神経質なバッターである。毎日一食は奥さんの作ったカレーライスを食べないと気が済まないのも一種のこだわりだろう。今回のWBCではやや尊大とも受け取られる発言があったが、これは自分を奮い立たせるためのパフォーマンスだったと私は思う。国の名誉をかけた戦いで一身に期待を集めていただけに、イチロー選手にかかったプレッシャーは尋常ではなかったろう。例年、シーズン中盤から調子を上げていく人だけに3月の試合は時期的にキビシイ面もあった。なかなかヒットが出ず、マスコミから叩かれた。胃潰瘍になってもおかしくない。

 このところのニュースによれば、イチロー選手は体調を回復し、トレーニング中とのことで、今シーズンも活躍が期待できそうだ。同じマリナーズで活躍している城島選手の神経質ぶりは以前に書いた(106話)。また、ヤンキース松井(秀)選手の神経質についても書いた(2話)ことがある。アメリカ社会で適応するには、一見、無神経で外向的で自己主張が強い方が良さそうに思えるが、大リーグで長く活躍している日本人選手を見ると意外にも神経質である。最後に勝つのは神経質人間である。

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