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2009年5月15日 (金)

神経質礼賛 426.本番に強い脳

 5月12日のNHKクローズアップ現代では「勝負強さは“脳”が決め手」と題して最近の脳トレーニング事情を取り上げていた。話はプールから始まった。北京オリンピックの前、ゴール前で失速しがちな日本競泳選手たちの強化のために脳科学者がアドバイスを行った。「ゴールが近い」と思うと、脳は「これで終わり」と判断して、集中力が途切れてペースが落ちてしまうのだそうだ。脳トレーニングの効果で北島選手をはじめ競泳陣は良い成績を収めることができたという。アメリカではスポーツ選手やビジネスマンを対象とした脳トレーニングジムがビジネスとして成り立っている。いつも最後の詰めが甘くて成績が伸ばせないゴルフ選手が訓練を受けて、脳波のα(アルファ)波が多く出るようになったという実例を示していた。

 実は脳波のα波を増やすことを売り物にした器具は20年前くらいにすでにあった。実際、私と同期入局のN先生が通販で購入して使っていた。α波を検出すると発光ダイオードが光る仕掛けで医療用のバイオフィードバック装置(心身症の治療に用いるもの)を手軽にしたものだ。N先生は私以上にプレッシャーに弱く、特に出勤前にいろいろと具合が悪くなりがちだった。週一回の教授回診の日は彼にとって修羅場だった。大原健士郎教授からは「お前は出社拒否の神経症だ!」と言われていた。その器具の効果があったとは思えない。しかし現在では彼は勤務していた病院の関連クリニック院長をしていて大変評判が良い。脳トレーニングの効果ではなく、緊張しながら仕方なしに行動を積み重ねていった成果なのだと思う。

 脳波のα波は8-13Hzの周波数で、リラックスして集中した状態で多く出る。禅僧が座禅している時や一流の将棋棋士が対局している時に出るものとして知られている。最近は電子技術の進歩で脳波の周波数成分を分析してその分布をリアルタイムでパソコン上に表示できるようになった。本番でα波が出せるようになれば、実力を発揮しやすくなるのかもしれない。しかし、それはトップアスリートたちのように訓練に訓練を積み重ねた人が大舞台で実力を発揮するためのプラスαなのであって、あまりに脳トレーニングばかりにこだわって本業がおろそかになっては本末転倒である。われわれ凡人ではそこまでやる必要性もない。緊張してはいけない、緊張しないようにしようと思えば思うほど緊張してしまう。緊張するのは誰もあることで仕方なし、まあこんなものだ、とあきらめてドキドキしながらも緊張場面を避けずに行動していれば、何とかなっていくものである。神経質人間は「本番に弱いのだから、その分、普段から努力しておこう」、ということで弱くなりきって地道に努力していけば望外の成果も得られるものだ。

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コメント

私も「クローズアップ現代」の脳トレーニングの回を見ながら、森田療法のことを考えていました。脳トレーニングや最近流行の脳科学にいささか胡散臭さも感じるので、あまり真剣には見ていませんでしたが…。勝負脳という発想そのものに私は違和感があります。“勝利”というポイントだけを評価して、過程を見ないことに、なんとなく釈然としないものを感じてしまいます(スポーツ選手には、とにかく勝つことが大切なのだというのは分かりますが)。四分休符先生の「あまりに脳トレーニングばかりにこだわって本業がおろそかになっては本末転倒である。われわれ凡人ではそこまでやる必要性もない」というお言葉に賛成です。

さて、私自身は本番よりも、やらなければならないことをスタートする時にプレッシャーを強く感じます。「いざ動き出すまで時間がかかるのは神経質の欠点である」というのは、まさに私に当てはまります。神経質なので、デッドラインが気になって仕方ないのに、中々手を付けないのです。そしてその間、ずっと気にしていて、そのストレスたるや…(笑)。

私の場合、中々仕事に手を付けないのは、凝り性で完璧主義(←褒め言葉ではありません)なため、一度始めると結構大変な作業になることが分かっているからだと思います。あまりに一生懸命にやるので、疲れますし、自分の仕事の出来映えに満足出来ないのも怖い。そういうことを始める前から予測してしまうので、中々手を付けられない。

解決策としては、非現実的な自分への期待を調整し、現実的・客観的な状況把握をする(ほどほどで良しとする)ということでしょうか。実際作業に入ってしまうと、くだくだ思うこともなく、それに熱中するのですが。

コメントいただきありがとうございます。クローズアップ現代は御覧になっていたのですね。私はこの種の番組を見ると、つい批判的な目で見てしまいます(笑)。脳科学ばやりの昨今ですが、少々「メタ科学」じゃないかと思えるような内容もあります。

森田正馬先生の言われたように「神経質は重い車」でなかなか動かないものですね。しかし、完璧主義というのも研究職では大切な資質だと思います。とりあえず実用になるものを作ればよい、という仕事と異なり、よりよいものより完全なものを追求するわけですから。ただ、そうは言っても手を出していかなければ前に進みませんから、最後に書かれたような結論になるかと思います。一旦動き出したら、神経質パワー全開で能力が120%発揮されていることでしょう。ますますの御発展をお祈りいたします。

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