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2009年5月 8日 (金)

神経質礼賛 424.「みにくいアヒルの子」だったアンデルセン

今回は再び「天才と病気」という本に書かれていたアンデルセンの話である。ハンス・クリスチャン・アンデルセン(1805-1875)は「裸の王様」「みにくいアヒルの子」「人魚姫」「マッチ売りの少女」などで有名なデンマークの童話作家である。自伝では「私の生涯は波乱に富んだ幸福な一生であった。それはさながら一編の美しいメルヘンだった」で始まるのだそうだが、実際は極めて苦しい前半生だった。容貌や生い立ちにまつわる劣等感、度重なる失恋、強度の神経衰弱に悩まされた。貧乏な家庭に生まれ、靴屋の父親は精神病で早くに亡くなり、母親もアル中のため慈善病院で亡くなった。俳優(オペラ歌手)を目指すもかなわず、貧困の中で死を考えた時期もあった。たまたま戯曲が認められ、援助を受けて大学で勉強する機会を与えられ、小説や童話を発表する。38歳の時に20歳の歌姫に熱烈な求愛をするもかなわず、独身を通した。誠実で優しい人柄だが、時に高慢さを見せたり怒りっぽくなったりすることがあったという。この辺は神経質に見られる弱力性と強力性の二面性かもしれない。極度の心配性で、火事を恐れるあまり脱出用ロープを常時持ち歩いていたとか、枕元に「死んだように見えますが生きています」と書いた紙を置いて寝たというエピソードがある。生きたまま埋葬されることを恐れて、友人には「納棺前に必ず動脈を切るように」と頼んでいたそうだ。晩年は全世界の多くの人々に愛され、肝臓癌で亡くなり国葬となった時にはあらゆる年齢・階層の人々が参列したという。

 アンデルセンは典型的な神経質人間だと私は思う。神経質人間はなかなか自分の美点には気がつかず、強い劣等感にさいなまれるものである。そこであきらめたりひねくれたりして努力をしなければ単なる「みにくいアヒルの子」のままで終わってしまう。つらくても何度も失敗しても努力を重ねていくうちに気がつくと大空を舞う美しい白鳥になっているものである。

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コメント

先生こんにちは!あと一週間でここを脱出、というところまでこぎつけました!
アンデルセンも辛い生涯だったのですね。両親の遺伝というのもあったのでしょうか。

私も日本に帰国したら具体的に取り組みたい問題があります。この職業で、神経質であることは利点だとはわかるのです。けれども今後、もっと前進するためには、「単なる神経質」から脱却する必要があると思います。

アメリカ人の先生方にも神経質さを発揮した研究成果は評価されています。けれども同時に「もっといろいろ自由にやっていいんだ」というアドバイスもいただきました。将来のことを考えて、でしょう。

ここで考えていてもどうにもならないので、日本に帰ります。具体的に変えていきたいので、専門家の先生からもご意見を伺いたいです。

コメントいただきありがとうございます。ラストスパートに入っていますね。新型インフルエンザ騒動で大変ですが、お気をつけて御帰国ください。

確かに神経質はコツコツ積み上げていくのが得意なので、型が決まった仕事で威力を発揮します。しかし独創的な仕事をする力だって十分あります。今までも作曲家・科学者・芸能人などの神経質の話を書いているので実例はいくらでもありますよね。

御専門の研究内容は私のような素人にはわかりませんが、「もっと自由にやっていい」というアドバイスはあなたの隙のない仕事ぶりが高く評価されているからでもあるような気がします。

仕事がオフの時には旅行で見聞を広めたり、コンサートや演劇や美術館の展示を見に行かれたりするのもよいのではないでしょうか。すぐ何かの役に立つというわけではなくても、どこかで発想を転換しインスピレーションが湧き出す源になるかもしれません。音楽に休符が必要なのと同様、人間にも休符が必要です。(とか何とか言って私のように休符が長くなりがちなのも問題アリですが)

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