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2009年9月21日 (月)

神経質礼賛 468.彼岸花

9月の中旬になるとあちこちで彼岸花が咲いているのを見かけるようになる。近所の「つつじ通」と呼ばれる所でもつつじの木の中からひょっこり彼岸花が頭を出して咲き乱れている。東北地方では稲刈りの始まる合図の花です、とNHKニュースのアナウンサーが言っていた。現在JR東海の車内ポスター広告・万葉集シリーズは彼岸花を前景にお寺らしき建物を撮った写真で、「路の辺の 壱師の花の いちしろく 人皆知りぬ 我が恋妻を」という柿本人麻呂の歌が添えられている(JR東海の「万葉集」というホームページでも見ることができるがポスターとは別の画像である)。「壱師の花」は彼岸花だとするのが通説である。柿本人麻呂は万葉集の代表的歌人でありながらその生涯は謎に包まれている。梅原猛の「水底の歌」が話題になったこともあった。従来は地方回りの下級官吏とされていたのに対して、高級官僚だったが政敵によって石見国(島根県)に流され刑死した、という説である。別の人が書いた本では、「いろは歌」は無実の罪で処刑された人麻呂の作だとしていた。「いろはにほへと・・・」を7字ずつ区切って最後の文字を並べれば「とかなくてしす(咎なくて死す)」という人麻呂からのメッセージだという。古代史はわかっていないことが多いだけに、いろいろな説があって面白い。

 彼岸花(曼珠沙華)は稲作と同時に日本に伝来した帰化植物なのだそうだ。球根性の植物で鱗茎にはリコリンという有毒物質が含まれている。そのため、モグラやネズミなどの動物を寄せ付けない目的で墓地や水田の畦に植えられてきたと考えられている。ただし、リコリンは水溶性で長時間水にさらせば毒抜きができるので、デンプンを多く含んだ鱗茎は飢饉の時に食用された歴史もあるらしい。

 「死人花」「地獄花」などの異名もあって、彼岸花の花としての人気は芳しくない。花言葉は「悲しい思い出」なのだそうだ。墓地に咲く花としても白百合や野菊くらいなら良いが、強烈な色で目立ちすぎるのがいけないのだろうか。神経質人間だと、彼岸花→お墓→死、という連想が働いて「死の恐怖」を呼び覚ますためか、私も彼岸花を見ると、ちょっとドキッとしてしまう。しかしながら、目の前のカレンダーで一輪をアップに撮った写真をあらためて見ると、独特の花弁の形や長く反り返ったおしべの形はなかなか面白い。素直に彼岸花の美しさを認めてあげてよいのではないかとも思う。

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