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2009年11月 9日 (月)

神経質礼賛 483.心如水

 国民文化祭というものが開催されていて、市文化財資料館で徳川慶喜関連の特別展があったので見に行ってきた。神社の境内にある小さな展示館でその存在を知る人は少ない。1Fは近くの古墳から発掘されたものが常設展示されている。2Fの展示室に慶喜邸日誌、種々の写真、カメラなど愛用の品々が展示されており、書も数点あった。大きく書かれた「静」の一字が目を引いた。目立たない隅の所に「心如水」(実際には右から左に書かれている)という書があった。解説はなく、いつ頃書かれたものかはわからないが、慶喜には似つかわしい言葉のように思う。大政奉還後、一時謹慎生活を送り、晩年は静岡で余生を送ることになる。街の中を自転車で走り回り、市民からはケイキさんと親しまれた。生活の困窮にあえぐ旧幕臣を顧みることなく、狩猟、カメラ、碁といった趣味三昧の生活だったことに対する批判もある。しかし、特定の旧幕臣に近づけば、明治政府転覆の陰謀を疑われただろうから、賢明な身の処し方だったのではないだろうか。そもそも将軍に担ぎ上げられたのは自らの意思ではなかったろう。大政奉還にせよ謹慎・隠居生活にせよ、無益な戦争の火種を元から絶とうと、身を引いたのだと思う。

 心如水で連想するのが羽柴(豊臣)秀吉の軍師だった黒田官兵衛である。織田信長が本能寺の変で急死直後、秀吉は戦っていた毛利と和睦し、すばやく引き返して明智光秀を討つことに成功し、やがて天下人となっていくわけだが、この策を進言したのは官兵衛だった。才気にあふれた官兵衛を秀吉は天下取りの野心があるのではと疑い、疎んずるようになる。そこで官兵衛は「心清き水の如し」で如水と号して出家・隠居した。それでも虎視眈々と天下取りのチャンスを狙っていたとも言われている。

 水はどんな形の器にも収まるし、常に高いところから低いところに流れる。そこには何のはからいもない。心如水は森田正馬先生の言葉で言えば、「柔順」や「純な心」が近いだろう。境遇は自分の力ではどうにもならないことが多い。しかし、うまくいかないのは親のせいだ、学校のせいだ、会社のせいだ、と恨んでみたところで何も得られるものはない。世界中を見渡せば、内戦で家族が次々と命を落としていくような国や、貧困と飢餓と病気にあえいでいる国もある。それを思えば日本に生まれたというだけでも大変な幸運ではないだろうか。グチをこぼしているヒマがあったら、できることを一つでもやってみることだ。ことに私のような神経質人間は、あれこれ批判ばかりしていて動き出すまでに時間がかかるキライがある。理屈は後回しで行動してみれば気分も変わってくる。いざ動き出せば神経質の粘り強さが生きてくるのである。

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コメント

先生こんにちは!お元気ですか?国民文化祭が始まったのですね。

私の地元裾野市には飯尾宗祇の墓の置かれたお寺があるので、連歌がテーマだと聞きました。もっとも、私が連歌と飯尾宗祇のことについて知ったのは、ここアメリカなのですが・・・。郷土史というか地域史との関連から日本の歴史や文化を理解することも重要ですね。

あと一ヶ月なので体調管理に気をつけてがんばります。季節性インフルエンザのワクチンは来週にも届くと聞いたので、大学内で予防接種を受けておこうと思います。

いわゆる「新型」のワクチンは、アメリカでも不足していて届きません。学生の20パーセントが既に感染していると聞きました。まあ私は、うつったら部屋で「ふて寝」でもしていればいいや、と開き直ってます。

 こんばんは(そちらは早朝でしょうか)。コメントいただきありがとうございます。宗祇が裾野市にゆかりの人だとは知りませんでした。案外、「灯台下暗し」で、郷里のすばらしいお宝を知らずにいることもあるものですね。

 日本では小中学生を中心に新型インフルエンザが猛威を振るっています。これから季節性インフルエンザのシーズンになってきます。ワクチン不足で、どこの医療機関も入手に四苦八苦しているのが現状です。感染時のふて寝(冬眠?)に備えて栄養を十分につけておくとベターかもしれません。伝染されないのがベストではありますが。

 早いもので、来月にはクリスマス休暇です。もうひとがんばりですね。

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