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2009年11月13日 (金)

神経質礼賛 485.シャーロック・ホームズの冒険

 書店の雑誌コーナーをのぞいたら、宝島社から出ている「シャーロック・ホームズの冒険」DVD BOOKが目に留まった。以前NHKで放送されていたイギリスのグラナダTV製作のTVドラマシリーズである。NHK版のDVDセットは高価だが、通販では日本語吹き替えナシ・対訳本付の全シリーズセットが2万円弱で販売されている。宝島社のものはやはり吹き替えナシ短編2話で1050円。全巻揃えると通販セットよりちょっと高くつくけれど、ポケットマネーで少しずつ買い足していく楽しみを選択し、とりあえず最初の4巻分を買ってみた。DVDだけあって画質はすばらしい。VHSテープに録画したものとは大違いである。今までは日本語吹き替えに馴染んでいたのでホームズ役・ジェレミー・ブレットの肉声を改めて聞いてみると、ホームズの神経質な部分もよく出ているような気がする。

 そもそも私がホームズにかぶれたのは小学校3、4年生の時だった。図書室にあった確か偕成社の子供向け版を片っ端から借りて読んだ。都会の学校に転校して友達の少ない「いじめられっ子」だった私にとってホームズはあこがれのヒーローだった。さらに中学生になると小遣いで買える創元推理文庫を揃えた。証拠を押さえるために自ら法を犯したり時には復讐殺人の犯人を逃したりする独特の正義感は私に大きな影響を与えたと思う。後にはエラリー・クイーンやアガサ・クリスティーの小説も読むようになったが、私にとって最も魅力的な探偵はホームズである。

 探偵の性格は実にいろいろである。ホームズやクイーンのようにやせ型で神経質な探偵もいれば、太り型でいかにも人当たりの良いポワロや刑事コロンボのようなタイプもいる。アメリカのハードボイルドでは瞬間湯沸器みたいな性格で拳銃を打ちまくる探偵もいる。神経質なホームズと温和なワトスンの組み合わせはお互いの欠点を補いあって最良のコンビだと思う。

ホームズのモデルは作者のコナン・ドイルの恩師で外科医のベル教授だと言われている。難事件が舞い込むと生き生きとするホームズは、難手術を生きがいとする天才外科医とよく似ている。平凡で退屈な生活には耐え切れず、仕事がない日々が続くとコカインに手を出す。超人ホームズにも弱さがあったのだ。晩年は探偵を引退して田舎で養蜂をする健康的な生活になったという設定である。

 第2巻の2話として収録された「ボヘミアの醜聞」の冒頭部分では、ふさぎこんでいるホームズの部屋に戻ってきたワトスンが引き出しの注射器に気付き、What is it tonight, morphine or cocaine?(今夜はモルヒネか それともコカイン?)と問い詰める場面がある。「モルフィーン」と「コケイン」が特に強調されていて英語に弱い私にもハッキリ聞き取れる。そしてI can strongly recommend a seven percent solution of cocaine.(コカインの7%溶液はいい)Would you care to try it?(君もどうだ)というホームズに対して、ワトスンは麻薬の害を説いて、友人として医師として忠告している。

 最近、大学生を中心に覚醒剤や麻薬使用にまつわる事件が急増していることは御存知の通りである。薬物で一時的な高揚感や多幸感を味わっても現実に戻れば大きな落ち込みに襲われるだけであるし、心身を害していく。好奇心から、「ちょっとくらい」で手を出すと取り返しの付かないことになる。こればかりは神経質人間の(融通が利かない)「絶対ダメ」がベストである。

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コメント

>今までは日本語吹き替えに馴染んでいたのでホームズ役・ジェレミー・ブレットの肉声を改めて聞いてみると、ホームズの神経質な部分もよく出ているような気がする。

イギリスグラナダTVで放送された本編ノーカット52分バージョンと、日本のNHKで独自に編集され放送された45分バージョンがあるそうですが私は後者しか知りません。露口茂氏による日本語版吹き替えも良かったです。
ウィキペディアによると、ジェレミー・ブレットは躁うつ病であって妻の死を契機として悪化したという。撮影中のエピソードがいろいろと書かれています。亡くなった当時の新聞報道の記憶では、晩年は寂しい状態で過ごしたと書かれていたのを覚えている。それにしても俳優という仕事は神経質ぐらいでないと務まらないかと思います。

春之介 様

 コメントいただきありがとうございます。NHK版は御覧になっていましたか。露口茂さんの吹き替えは見事でしたね。

 ワトスン役は前半がデビット・バーク、後半がエドワード・ハードウイックと役者が変わっています。バークはちょっと鋭すぎる印象で、ハードウイックの方が人が良いワトスンのイメージに合っているように私は思います。

 ホームズ役のジェレミー・ブレットには双極性障害(躁うつ病)と心臓病の持病があって、彼の突然の死でシリーズが終わってしまったのは残念です。

 おっしゃるように、役者さんには神経質な人が結構います。インタビューでは「とてもあがって緊張する」とか「緊張しない時はかえって大失敗する」というような話もよく聞きます。神経質を役作りに生かしている人が多いのだろうと思います。

 

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