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2009年12月18日 (金)

神経質礼賛 496.使わなければ錆びる

 病院に出入りしている製薬メーカーの営業さんの話によると、宇宙飛行士の若田さんは骨粗鬆症の予防のためアレンドロネート製剤(商品名フォサマック)を飲んでいたそうである。無重量(無重力)状態で生活していると短期間で筋肉が落ちてしまって地上に帰還した時には歩行困難になることは御存知かと思うが、骨も荷重が全くかからない状態が続くとスカスカになってしまうのである。

 高齢者の骨折予防のために薬を処方して下さい、というわけだが、本当は適度な運動をしてもらうのが最善の処方のように思う。国の財政が破綻状態なのに、やみくもに薬を処方して「患者」を増やし、医療費を使うのはいかがなものか。元気なうちからなるべく車を使わずせっせと歩いて骨粗鬆症を予防すれば炭酸ガス排出も減り、医療費もかからないというものだろう。

 人間の体は使わないでいると「錆びて」しまうものである。今のような精神病の治療薬がなかった時代、精神病院は患者さんを収容しておくしか手立てがなかった。多くの患者さんたちが無為に終日寝て過ごしていた。そんな時代に、巣鴨病院(現在の都立松沢病院)や根岸病院に勤務しておられた森田正馬先生は、作業療法に力を入れ、当時としては画期的な治療をしておられた。森田先生の書かれたものから引用する。ここで緊張病とは統合失調症の一病型である。

 今から二十五年余も前のこと、余が病院に奉職した時、脚氣廃用萎縮で、足関節の強直を起して、歩行不能の緊張病患者が数人、枕を列べて寝て居た。それは寒い冬の事、余は直ちに、昼間は、患者から布団を取り上げて、寝て居る事の出来ないやうにした。数月ならずして、是等の患者の強直は治ッた。(白揚社:森田正馬全集 第3巻 p.408-409

 薬はなくても人間の適応能力を引き出すことで見事に治療されたわけである。当時「早発性痴呆」と呼ばれていた統合失調症の治療経験も森田療法に生かされていくことになる。

 使わないと錆びてしまうのは体だけではない。頭も同じである。数多くの名言を残したナポレオンの言葉に「使わない鉄が錆びるように、活動しないことは知性を損なう」というものがある。これは売れっ子の脳科学者の説明がなくてもおわかりいただけると思う。かく言う私も気をつけなくては、と思うこの頃である。

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