神経質礼賛 506.日の出時刻の謎
連日、日本列島は寒気団に覆われて厳しい寒さとなっている。特に日本海側の地方では大雪に見舞われているようだ。私も毎朝6時に新聞を取りに外へ出る時は震え上がる。この時期になると、夕方の日の入りは冬至の頃よりも遅くなっているのだが、なぜか朝の日の出は冬至の頃より早くなっていない。むしろ遅くなっているのは、いつも一定の時刻に新聞を取りに行くので空の明るさで体感するところである。実際に、私の住んでいる地方では、昨年の冬至の日の日の出時刻6:51、日の入り時刻は16:39で、今日1月15日の日の出時刻は6:54、日の入り時刻は16:58である。毎日の新聞に出ているが、簡単に調べたい方は、国立天文台ホームページで「日/月の出入り情報」(暦計算室)をクリックして、皆さんのお住まいの地方と調べたい日を選べば、日の出・日の入り時刻がわかる。
小中学校の理科で教えている知識だと、冬至が一番昼の時間が短いので、冬至の日に日の出が一番遅く、日の入りが一番早い、と思っておられる方も多いだろう。ところが、実際には日の出が一番遅いのは1月5日頃であり、日の入りが一番早いのは12月7日頃なのである。さらには、太陽の南中時刻は理屈の上ではピッタリ正午のはずだが、国立天文台発表の南中時刻を見ると、季節によってずいぶん変動がある。
こんなことが起るのは均時差というものがあるからである。均時差の原因はいくつかあるらしいが、主な原因として、地球が太陽を回る軌道が正円ではなくわずかに楕円軌道であることが挙げられる。ケプラーの第2法則から、太陽から距離が離れている時にはゆっくり公転し、太陽に近い時には速く公転することになる。地球が太陽を一周する公転周期を1年としてそれを等分して暦や時間を定義しているためにズレが生じてしまうのだ。もちろん日常生活上あまり影響はないことではあるが。
神経質を自分の外に向ければいろいろ不思議なことは見つかる。そして、ついつい調べたくなる知りたがりの習性で、楽しみながら知識が増えていくものである。
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