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2010年2月 3日 (水)

神経質礼賛 512.横浜中華街の占い

 先週の水曜日朝のNHKニュース「おはよう日本」を見ていたら、横浜の中華街で占いがブームだという話題を取り上げていた。食事目的でなく風水や手相などの占い目的に訪れる人が増え、その数は年間10万人以上だという。番組では昨年占い師になったという30歳の男性を追っていた。大学中退後、定職に就けず、将来に希望が持てなかったが、占い師の言葉で人生が変わった。人に希望を与えたいと、自分も占い師になった。客に伝えたいメッセージを手帳に書き溜め、心に刻み込む。客として訪れた20代の失業中の若者に、幸せになるために笑うようにとアドバイスしていた。

 精神科の外来には時として、自分はどうすればいいのかわからない、ということで答えを求めに来る人がいる。不安や不眠ということで受診しても、主要テーマが転職したらいいかどうか、結婚した方がいいかどうか、というようなことがある。お見合い相手の写真付履歴書を持参して相談する人までいる。健康保険を使ってこの手の相談事は正直言って困る。「私は占い師じゃないからね」と言いながら、仕方なくカウンセラーのようにその人の考えを整理する手助けをすることもある。

 占いとは、本来、人の将来を予言したり運勢や吉凶を判断したりするものであるはずだが、番組で扱っていたような「占い」に人気があるとすれば、今「占い」に求められているのは未来の予言よりも行動指針のアドバイスなのだろう。一生懸命勉強しても仕事にありつけない若者が増えている。大企業に勤めていても安泰ではなく、いつリストラの憂き目に遭うかもしれない。ある日突然、通り魔に襲われて命を落とすかもしれない。運良く健康で長生きしたとしても少子高齢化の加速で年金財政は破綻が見込まれ、楽隠居できそうな状況にない。各種の調査で、これから世の中が良くなっていくと思っている人より、世の中が悪くなっていくと思う人が多い昨今である。世の中、不安だらけだ。

 しかし、不安を消そうとあがいてもどうにもならないし、ジタバタしていては不安スパイラルにはまるだけである。森田正馬先生が言われたように、不安はどうにもならないものをあきらめて、目の前のできることを一つ一つやっていくほかはない。行動しているうちにいつしか気分も変わって「不安心即安心」となるものである。就職先に困っている若者の場合、ダメもとで面接や採用試験に次々とチャレンジしていくしかない。番組に出た占い師にしても、考えるだけでなく実際に占い師になろうという行動に出て初めて道が開けたのである。「僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る(高村光太郎:道程)」という言葉が思い浮かぶ。

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