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2010年6月 4日 (金)

神経質礼賛 552.デッドライン

 毎日新聞日曜版には心療内科医・海原純子さんの「一日一粒 心のサプリ」という連載コラムがある。530日の話題は「デッドライン」で日米の学生の締め切りに対する感覚の違いが書かれていた。日本の学生の場合、レポートの提出期限はなかなか守られず、「家に忘れてきた」などといった言い訳で済んでしまう。しかしアメリカでは期限は絶対で言い訳は通らないそうである。日本式の「ものわかりの良さ」が国際社会のコミュニケーション不全の引き金となる可能性を指摘している。また、H首相の普天間問題でのデッドラインに関する意識をチクリと批判している。

 ほぼ単一民族国家だった日本では、少しくらい遅れても察してくれるだろう、という「甘え」の意識がある。法律でさえ「情状酌量」がまかり通る。その点、アメリカは多民族国家で、宗教や価値観がまるで違う人々が一緒に暮らしている。他人の事情を察することは困難であり、だからこそ契約というものが重んじられてきたのだろう。

 デッドラインとは新聞・雑誌などの原稿の最終締切期限のことで、それを過ぎたらどんなすばらしい記事を書き上げたとしても価値がなくなる。その日の新聞やその号の雑誌には載せられず、他社に負けてしまうことになるのだ。新聞や雑誌に限らず、仕事には納期というものがつきもので、納期に間に合わなければ信用を失うことになる。当然お金の支払い期限もそうである。

 神経質人間の私は、提出期限とか支払期限とかが非常に気になる。書類の場合、とにかく早めに書いてしまうし、支払期限のかなり前から封筒に現金を入れて用意しないと気が済まない。小心者のおかげで信用を失うリスクは極めて少ない。神経質のおかげで得をしていると思っている。ところが、神経症で治療を受けている人の場合、どうもデッドラインにだらしない人をよく見かける。森田療法の入院患者さんで毎日の日記の提出時刻が守れない人もいる。自分の症状にばかり注意がいってしまい、周囲に注意が払われていないためである。神経質が生かせるようになってくるとデッドラインが守れるようになり、「症状」も消散するのである。

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コメント

先生こんにちは!海原先生のサイトは、特にダイエットに関心のある人にはおススメです。

海原先生はハーバード大学で研究をなさっているので、締め切りに遅れる人にはめったに会わないのかもしれませんね。アメリカの超名門大学は、動いているお金の額に比例して、仕事ひとつに対する責任が非常に重いのでしょう。

私は州立大学にいたので、期末試験に(!)遅れてきたり、宿題をやってこない人々に数多く遭遇しました。遅刻や欠席も多々あり。最も悩んだのが医師による診断証明で、たったの4学期で何枚の診断証明を見ただろう、と思います。たいていは重病ではなく、微熱程度なんですが・・・。

アメリカの超名門私立大学で博士号を取った日本人の先生によると、その大学では学生は何があっても絶対に授業を欠席しないそうです。先生ご自身も過労で病院に運ばれた時、休講にはできないから、と注射を打って授業に向かったそうです。いついかなる時も期日や時間を守るのは、簡単なようで実は高度なことだと思います。

アメリカで研究生活をされた御経験に基づく貴重なコメントをいただきありがとうございます。アメリカでも大学によって差はあるものなのですね。

微熱程度でも診断書ですか。精神科だと診断書を欲しがる「患者様」が多くて困ります(苦笑)。元気いっぱい「自分はうつ病だ」と主張するような人が最近多いので。私はそのテの人には「病気ではないし、休まないほうがいい。診断書は書けない」とがんばって突っぱねるのですが、御希望通りの診断書を書く医師も多いのではないかと思います。

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