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2010年7月 2日 (金)

神経質礼賛 561.過量服薬と駅前精神科クリニック

 6月24日付毎日新聞朝刊の第一面に「過量服薬 救命現場が警鐘」「治療薬 自殺手助け」「精神科乱立 安易な処方も」という大見出しが並んでいた。重症者が搬送されてくる都内の救急センターの医師が調べたところ、過量服薬の搬送患者が全体の1割を超え、大半が精神科診療所で処方された薬剤の服薬で、服薬量は平均100錠になるという。搬送患者の通院先の多くは「駅前」精神科診療所だという。民間調査会社によれば、ここ10年間で精神科・心療内科の診療所は5割増加し、向精神薬の売り上げは2倍になっているという。この記事を読んだ人は、駅前精神科クリニックが安易に大量の向精神薬を処方して結果的に自殺を幇助している、と思ってしまうだろう。

 多くの精神科診療所の先生方は限られた診療時間で効果的な精神療法をしようと努力されていたり、患者さんの社会復帰や就労支援に骨を折られたりしている。とんでもない誤解だと言いたいところだが、残念なことに記事で指摘されたような駅前クリニックは実在する。

 睡眠薬やリタリンの不正処方で摘発されるのは決まって大都市の駅前クリニックである。私が住んでいる田舎でも、駅前で繁盛している某クリニックは向精神薬欲しさに受診する人たちの間で「欲しいクスリをどんどん出してくれる」とクチコミで評判が広がっているそうだ。神経症性不眠でそこを初めて受診したらいきなり5種類の薬を処方されてビックリして私の勤務先の病院にセカンドオピニオンを求めて来た、という人もいた(432話)。

 長年、地域医療を支えていた病院や医院が次々と廃業や倒産しているこの御時世、街中で急増しているのは心療内科・精神科クリニックと「柔道整復師」が経営する整体・接骨院くらいのものだろうか。せっかく精神科の敷居が下がって受診しやすくなったのだから、それぞれの先生方が御専門とする精神療法を提供していただきたいものだ。新聞記事に書かれているような向精神薬の安易な大量処方は「神経質が足りない!」である。

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コメント

 先生、お久しぶりです。あいもかわらず快適にロードで走り、iMACとWindowsをフルに使いこなしています。世間ではやっと今頃になってiPADで電子書籍を読もうとすごく注目を浴びていますが、もう10年も前からこれをIBMのWorkPadで実施していた私です。テキストデーターの音声化も成功して、苦悩者とともに「いつでもどこでも耳から学ぶ森田療法」を実験中です。散歩しながらでも自転車に乗りながらでも家事や掃除をしながらでも勉強ができます。私のこのユニークな勉強方法は受験や資格試験など多方面にわたって有効活用が期待できると思います。それで、先日お話をしましたグーグルメールのお話です。フリーメールですが取得されますとなんと大きな容量のデーターがやりとり可能なんです。

 話が脱線しましたが、私もふと振り返れば還暦を過ぎました。孫にももう時期お目にかかれそうです。晴れてお爺ちゃんと呼ばれる心境はとても複雑です。

 そこで手に取りましたのが、大原健士郎先生の著「老いて、わがままに生きる」です。精神科医でこれほど多くの書を世の中に出版された人は数えるほどしかおられません。先生のこの本のようにこれから生きられたら良いなあと思います。

 我が家にも今宣伝しているNTTのフレッツ光をいれ、音楽や動画もスイスイパソコン上から見られるように環境を整えました。いろんなことでお役に立てられると思います。

 最近は古文書にも関心が高まり、西宮で開業されている眼科医の先生の集められた資料のデジタル整理を片手間でやって差し上げましたらことのほか喜ばれました。古き良い教えを後世に残そうと思います。

 何やってんだろうと関心を持たれましたらぜひGMAILを取得されてこのMAC和尚と交信されませんか……。ぜひぜひ楽しみにお待ちしています。

 最後になりましたが、薬物の乱用は国を滅ぼしますよね。森田正馬先生の精神療法をもっともっと社会にアピールして行きましょう。天知る地知る我知る人知るできっと彼らに天罰が下りますよ。まだまだお爺ちゃんにななれない私です。いっしょに戦いましょう。

>せっかく精神科の敷居が下がって受診しやすくなったのだから、それぞれの先生方が御専門とする精神療法を提供していただきたいものだ。

その通りだと思います。敷居が下がり過ぎて外来診療が混雑するということもありますが、日本人もメンタルな問題を話題にすることが恥ずかしくなくなっているようです。

6月27日の続報記事で、横浜市立大付属市民総合医療センターは、向精神薬の過量服薬で自殺を図って救急搬送された患者の通院先に対し、書面で注意を促しているそうです。主治医に対して……なかなか思い切った行動ですね。

春之介 様

 コメントいただきありがとうございます。そうですね。続報記事が出ました。極めて多忙な救急部門でそこまでやらなければならない、というのはかなり深刻な状況だと思います。

 当院でも、他の医療機関で大量の向精神薬を処方されていた方が転医してくることがあります。すぐに減量することはいわゆるリバウンドの問題があって困難ですが、時間をかけて漸減するとか、過量服薬の問題がある方は御家族に服薬管理を依頼する、1週処方にする、などの対応をしています。このあたりは神経質さが要求されます。

MAC和尚 様

 コメントいただきありがとうございます。
 お元気そうで何よりです。お孫さんの誕生が待ち遠しいことと思います。

 マルチメディアを活用して、森田療法が学べるシステムとは画期的ですね。
 森田療法のすばらしいところは、いつ・どこでも実践できるところにあります。生活の一こま一こまが実践の場です。それにMAC和尚様のシステムが加わればさらに強力なものになるでしょう。

 精神科イコール「薬の売人」では困ります。神経症の治療はできるだけ「無脳薬」でいきたいものです。

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