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2010年7月16日 (金)

神経質礼賛 566.手のふるえ

 7月13日付毎日新聞朝刊に将棋の羽生善治名人のインタビュー記事があった。小学生の時から頭角をあらわし、中学生でプロ棋士になり、名棋士たちを次々と撃破してタイトルを獲得していったあの羽生さんも今年で40歳になるということだ。現在は若い棋士たちの最終目標となり追われる立場に変わったが、鋭いヨミと柔軟な発想は変わっていない。幾多のタイトル戦を戦っている羽生さんだが、終盤で勝ちが見えてくると激しく緊張して指す手がブルブルふるえるのだそうである。

 結婚式や葬式、はたまた学会や講演会などの受付で記帳を求められた時に、緊張を感じられる方は多いと思う。住所(所属)と氏名を書くだけではあるのだが、受付の人が見ていて、次の人が待っているような状況では緊張して手がふるえやすい。私の場合は字が下手くそなので、逆に開き直っていて、上手に書こうなどと思わずさっさと書いてしまうため、緊張はするがふるえはそれほど気にならない。神経症の書痙は記帳の時に手がふるえたことがきっかけという人が結構いるものだ。またなったらどうしよう、ふるえているのを見られてみっともない、などと気にしているうちに、いろいろな場面でふるえるようになってしまうものである。さらに、ふるえないようにと筆記用具の持ち方を変えるなどという「はからいごと」をしていくと症状が悪化するのである。

 ふるえは字を書くときばかりに起こるものではない。森田正馬先生の患者さんで「茶痙」・・・お茶を出すときに緊張して手が激しくふるえる・・・に悩む女性教師がいた。症状のために仕事を辞めようとしたが、森田先生に強く止められ、森田先生の治療で治っている。

 TVのグルメ番組でも、料理をつかんだ箸がアップで映るとふるえていることが多い。そもそも、ふるえないようにしよう、と思ってもそれは不可能だ。人間の手は完全に静止させることはできない。いつもごくわずかながらふるえているものである。ふるえた字でも相手に読めればいいのだ、お茶を出す時に多少手がふるえてもこぼれなければいいのだ、くらいの心構えで、そういう場面を避けずに当たっていけば何とかなっていくものである。最初に書いた羽生さんの場合はふるえた手で指すと、本当は相手側にも勝筋があるのに相手が「もうダメだ」と観念してキワドイ場面でミスをしてくれて得をすることもあるようである。

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