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2011年2月11日 (金)

神経質礼賛 634.受験の付添

 子供から聞いたところでは、最近は男の子でも大学受験に母親が付いていくことがよくあるらしい。仕事を休んで付いて行き、ツインの部屋に息子と泊まる母親もいるのだそうだ。親の面接があるという某お嬢様大学だとか、寄付金をいくら出せますかという交渉のあるような医歯系私立大学の場合は、本人よりも親の方が重要なのかも知れないけれど、普通の入試に親が付いて行ったところで試験会場に入れるわけでもなし、することもないはずだ。第一、親と一緒に泊まるのを本人は嫌がらないのだろうかと疑問に思う。と思ったら、何と子供の受験中に親が待機する場所を用意している私立大学があるという話を聞いた。

 最近では、大学受験に限らず、会社の入社式にまで親がついてくるという話もある。今はやりの「婚活」も親付きがあるのだそうだ。これではいつまでたってもコドモのまま。精神的な自立はできないのではないかと危惧する。

 神経症に悩む人たちも、その親が過保護・過干渉なことがしばしばある。森田正馬先生の場合、父親は厳格で母親が過保護であり、14歳頃まで夜尿症があった。中学2年の時に心臓病にかかり2年間治療を受けたが、後にこれは神経質によるものだったと述べておられる。中学の最初2、3年は知人宅に下宿し、母親からの分離不安があったのかもしれない。その後は自炊生活をし、最後の2、3年間は寄宿舎で生活する中で次第に心身ともに鍛えられていったようである。鈴木知準先生の場合は両親がかなり甘かった。知準先生は中学生時代、不眠の腹いせに家を壊そうとしたり、親に空気銃を買ってもらって雀を撃って鬱憤晴らししたり、とやりたい放題だった。いろいろな治療を受けたが効果がなく、森田先生のところに入院させてもらおうと診察を受けたが断られ、父親まで叱られた。森田先生の奥さんの取りなしでやっと入院させてもらえた。「あの時若し、あたヽかい奥様がゐられなかッたら、私の現在は、おそらく田舎で、相変わらず神経質になやみつヾけてゐたことヽ思ふ。之を思ふたびに、奥様に対する感謝の念にかられる」(森田正馬著 復刻版「久亥の思ひ出」より)と後に述べておられた。知準先生は健康的な家族関係の中でいわば再教育を受けて完治したばかりか見違えるように勉強に打ち込むようになっていった。そして旧制浦和高校、東京大学医学部へと進学し、森田療法の後継者の一人になったのである。

 親としては心配でつい先回りして子供のためにやってしまいがちだが、それでは子供のためにならない。子供の精神的成長のためには「かわいい子には旅をさせろ」も大切である。

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