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2011年3月 4日 (金)

神経質礼賛 642.行動本位

 この言葉も気分本位の対極となる言葉である。前回の目的本位と同様、森田正馬先生が言われたという記録は見当たらない。大原健士郎先生はこの言葉について、「いくら立派なことを考えていても人のものを盗めば盗人である。逆にいくら悪いことを考えていても人助けをすれば立派な人物とみなされる。行動と実績こそ、その人を価値ものである」と解説しておられる。

神経質人間はよく頭でっかちと言われる。頭で考えるばかりで行動が伴わないことがよくある。あれこれ計画を立てても、失敗したらどうしようかとか面倒だなあとか考えて行動を先送りし、ズルズルとやらないままにしがちである。すばらしい計画も実行に移さなければ価値がない。思い切って実行すれば、神経質人間は綿密に計画を立て、もしこうなったらこうしようと準備しているので、思いのほかうまくいくものだ。

私は若い頃、対人緊張に悩んでいた。自分が人からどう思われているかということばかりを気にしていたのである。こんなことを言ったら、こんなことをしたら、相手がどう思うだろうか、変に思わないだろうかと深読みし、一人相撲を取っていたふしがある。緊張しながらも必要だと思われることは発言し、行動していくことが大切である。

また、この言葉は、強迫観念に悩み強迫行為を繰り返してしまうような強迫神経症(強迫性障害)の人には、特に役立つ言葉だと思う。何度も確認行為を繰り返したところで、確認のために無駄なエネルギーを浪費するだけのことである。不潔恐怖の人が必要以上に長時間手を洗い続けるのも同じである。ちょうど自動車のギアをニュートラルに入れたままで一生懸命アクセルを踏んでエンジンを空回りさせているのに似ている。本人なりの理屈があって一生懸命なのだが、結果的には何も行動していないも同然であるばかりか、疲れきってしまう。森田正馬先生の甥で養子となり三島森田病院を創設された森田秀俊先生は、そうした患者さんたちに「理屈はいらない。理屈は君にとって役に立たない」と指導されていた。理屈より現実的な行動である。私は患者さんの日記に「百の理屈より一つの行動」と書いている。強迫行為に費やす無駄なエネルギーを実生活の仕事に向けていけば、人並み以上に仕事ができるのである。

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