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2011年4月27日 (水)

神経質礼賛 659.アルツハイマー型認知症治療薬

 このところ精神科領域の新しい薬で話題になっているのが、ヤンセンファーマ・武田薬品から発売されたレミニール、第一三共から近日発売(東日本大震災の影響で発売が遅れている)のメマリーという薬でいずれもアルツハイマー型認知症治療薬である。今までこの分野の治療薬はエーザイのアリセプトという薬しかなかった。アリセプト(塩酸ドネペジル)はアセチルコリンエステラーゼ阻害作用により脳内のアセチルコリンを増加させることで認知機能を改善する。レミニール(ガランタミン臭化水素酸塩)はその作用に加えてニコチン性アセチルコリン受容体に対する作用により脳内コリン機能を増強することでより強力な作用が期待できる。しかしながら、アリセプトでは嘔気・嘔吐の副作用が出ることがあったのが、レミニールではさらに多くなり、悪心15.5%、嘔吐が12.5%となっている。同じ承認時の総副作用発生頻度で比較するとアリセプトの10.5%に比べるとレミニールは58.2%であり、作用が強力な反面、副作用も出やすい薬ということになる。一方メマリーはNMDA受容体拮抗作用により神経細胞内への過剰なカルシウムイオン流入を抑制して神経細胞を保護するとともにシグナル伝達時のノイズを減らして学習機能障害を抑制するとのことである。承認時の副作用発現頻度は36.6%であり、その中で多いものは、めまい4.7%、便秘3.7%、体重減少2.2%となっている。メマリーは作用機序が異なるのでアリセプトあるいはレミニールと併用することができる。いずれの薬にしても、根本的な治療薬というわけではない。メーカーは認知症症状の進行を抑制すると言うが、認知症そのものは進行していくので、意地の悪い言い方をすると見かけを良くするだけであり、服薬をやめれば本来の状態になってしまう。ともあれ、上手に使えば、本来の状態よりも症状が改善することで本人も介護者(家族)も助かることになる。薬価が高いだけにムダ使いにならないように、副作用にも気をつけて、神経質に使っていく必要があるだろう。

 どんな人でも歳を取れば老化により認知機能が衰えていくのは避けられないことである。認知症治療薬の開発もよいことだが、食事や運動などの生活習慣に気をつけて少しでも脳の老化を遅らせていく工夫はさらに重要だと思う。江戸時代に貝原益軒(605話)が説いた養生訓でも腹八分目ということを言っていたが、最近では、カロリー制限により過酸化反応が抑制されて老化が抑制できるというような研究がある。やはり食べ過ぎ・飲み過ぎはよろしくない。古人の知恵の中にも老化防止の経験則がありそうだ。

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