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2011年5月13日 (金)

神経質礼賛 665.エビデンスと現実直視

 毎日新聞日曜版に連載されていた心療内科医・海原純子さんのコラム「心のサプリ」は好評のうちに終了となったが、このところ4回限定で「大震災によせて」という特別編が掲載されている。5月1日付の記事では震災を通して現代日本社会の問題点について論じられていた。

 問題点の第一はエビデンス(証拠)の欠如である。それゆえに感情的対応をしてしまい風評被害が起る。政府要人が風評被害の産物を食べて見せるパフォーマンスだけでは信用されない。きちんとデータを示して安全性を証明する必要がある。第二は現実を直視しない(できないようにする)、例えば「人々がパニックにならないように」という名目で事実を隠す点である。医療でもかつては悪性疾患であることを本人に告げずに治療をしていたが現在は本人にきちんと告知するようになっているのに比べると、政治の対応は遅れていると海原さんは指摘し、国民が現実を直視できるようにすべきだと論じている。私も全くその通りだと思う。この二つの問題点に関しては愚民に甘んじている私たち自身にも責任があるだろう。

 エビデンスと現実直視ということは、神経症への対応でも重要かもしれない。「自分はダメだ」と感情的に決めつけてできることを先送りする。これではよくならない。脳や内臓や筋骨格系に器質的異常があるわけではない。検査で病気であるというエビデンスがないのであれば、いつまでも病気探しをしていないで健康人らしく行動していくことが大切である。そして、社会生活でも家庭生活でも嫌なことはいくらでも起る。つらい現実を直視せず逃げようとしていてはますます嫌になるだけである。森田正馬先生が言われるように、嫌なことを嫌でないようにしようと「はからう」のが神経質のいけないところである。嫌なことは嫌なままで仕方なしに片付けていく、それが「あるがまま」であり、嫌々ながらも行動しているのが実は「日々是好日」なのである。

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コメント

前回、今回の先生のブログもとても見に染みます。

震災で私が不安定になったのは、テレビのを見すぎて、さも自分が被災したような気になったのが原因だろうと思います。先生にコメントを頂いて、今は今まで通りの忙しいながらも幸せ生活を送っております。

新しい部署にて、後輩が私のような電車恐怖に襲われていると相談してくれました。医者に行くべきか思い悩んでいたようです。
彼女は私がとても強い人間に思っていたようで、私もそうだと伝えると、とても驚いていました。自分はおかしいと思い悩んでいたようで、一見、真の強そうな人にも苦手なものがあるのだと安心したと言っていました。

私は、自分は弱いと思っていたので、こんな私に相談をしてくれるとは驚きでしたが、頑張りやさんの彼女の気持ちがよくわかります。
たいした力にはなれないかもしれませんが、勇気をだして相談してくれたようなので、支えてあげたいです。
先生のお陰で、支えられ、私も彼女を支えられたらと思います。

アッシュ様

 コメントいただきありがとうございます。

 自分は弱いと思い込んでいても実は強いのが神経質です。減点法で考えて自分は全然ダメだと思い込み人一倍努力して、結果的には立派な仕事をするということにもなるものです。

 「この世をば わが世と思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」の歌の通り権勢を誇った藤原道長でさえパニック障害になったと考えられています(413話)。現代の芸能人でもパニック障害に悩まされる人は結構いますね。私の印象では才気に富んだ美男美女ほどパニック障害になりやすいように思います。

 後輩の方にとっては、アッシュ様はとても頼もしい先輩なのですね。自分の症状は苦しいけれども、人のために役に立つよう行動していく、それは自分にも返ってきます。自分ばかりに目が向いていたのが、「人の性(しょう)を尽くす」になって、自然と症状を相手にしなくなるということにもなるのです。

 GWが過ぎて、暑い日も時々あり、何となく疲れが出てきやすい時です。あせらず欲張りすぎず、時々休符を入れながら、日々を過ごされたら、と思います。

>「社会生活でも家庭生活でも嫌なことはいくらでも起る」

脳天にくさびを打ち込まれるような不快事や、疑獄の使者のような鬼人間に、頻繁に出くわしますので、その度に酷く打ちのめされるのですが、そのような時には、「四分先生、またやられました~」と思うんですよ。

疑獄の使者 → 地獄の使者でした。
(神経質が足りませんでしたshock

たらふく様

 コメントいただきありがとうございます。

 私もよく脳天くさび打ちはくらいますし、地獄の使者にもよくお会いしますよ(笑)。それでもどっこい生きている。やられたー、と倒れてもタダでは起きないのが神経質のしぶといところです。

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