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2011年6月20日 (月)

神経質礼賛 677.神経質の2代目・徳川秀忠

 今年のNHK大河ドラマはお市の方の娘・お江(お江与、小督)が主人公であるため、その夫・徳川秀忠にも注目が集まっている。一般的に創業者のいわゆる2世というと、どうしても先代と比較されてぱっとしない存在になりやすい。秀忠の場合、息子の3代将軍家光に比べても目立たない。室町幕府の初代将軍・足利尊氏と最盛期の3代将軍・足利義満にはさまれた2代将軍・義が目立たないのに似ている。

 秀忠の評価は一般的に高くなく、愚将というイメージがある。関が原の戦いの際には大軍を率いて中山道経由で参戦するはずだったが、上田城の真田幸村に翻弄されて間に合わず、家康からひどく叱責されている。しかし、上田城での敗戦は秀忠に従った家康の重臣たちの間の不協和音が原因だと言われるし、家康の策謀でわざと関が原到着を遅らせて大軍を温存しようとしたのではないかという説もあるし、お江が姉の淀殿を助けたいがために秀忠をたきつけて無駄な上田攻めをさせたという説もある。武将としての戦果は乏しいものの、その後の徳川幕府の基礎固めに貢献したことは確かである。戦が収まり、文官としての統治能力が必要な時代に移り変わっていく時代では、秀忠のような人物がトップとなることは徳川幕府にとって好ましかった。有力外様大名を改易しただけでなく、弟・松平忠輝と甥・松平忠直を改易し、政権を安泰にした。また娘・和子を後水尾天皇に嫁がせた。現在の天皇はその子孫にあたり、お江を通じて織田家の血筋を引いていることになる。

 篠田達明著『徳川将軍家十五代のカルテ』(新潮新書)によれば、秀忠の人柄は、家康以上の律儀者で堅物であり恐妻家だったという。家康(11話・209話)の神経質なDNAが秀忠に継承されたのだろう。立派な体格で鉄砲の名手でもあり外見からは気弱な面は想像がつかないが、偉大な父親が大きなプレッシャーになっていたと思われる。家康のように何度も大きなピンチに襲われてそれを乗り越えて神経質性格を最大限に生かせるようになったのに比べると、秀忠にはそのような体験が少なく、神経質を生かしきるまでには進化できなかったのかもしれない。

秀忠が結婚したのは16歳、その時お江は22歳で3度目の結婚である。気が強いお江にとっては操縦しやすい夫だったことだろう。二人の間には二男五女が生まれた。お江は側室や奥女中たちをきびしく監視して妊娠しようものなら堕胎を強要したと言われている。ともあれ、神経質のDNAはさらに息子の家光にも伝えられることになる。

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コメント

興味深い逸話で大変参考になりました。
大河ドラマは見ていますが、これでドラマの見方が変わるかもしれません。
良いお話しをありがとうございました。

スローライフ様

 コメントいただきありがとうございます。6月だというのに厳しい暑さになってきました。スローライフ様が紹介して下さったチキンラーメン味のたこ焼きをつまみにビール、といきたいところですが、残念ながら当地では見当たりません。限定販売なのかもしれませんね。

 歴史ドラマだと、主人公とそれを支える人々が非常に美化されてしまう傾向があるのはやむをえないところでしょう。私は歴史上の人物の性格にとても興味があります。そして神経質性格だったとわかると強い親近感がわいてきます。

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