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2011年6月 3日 (金)

神経質礼賛 671.躁と鬱

 人には誰でも多かれ少なかれ気分の波がある。気分が高揚している時期もあれば落ち込んでいる時期もある。それが極端な状態が躁状態とうつ状態ということになる。うつ病・うつ状態はよく話題になるが、躁病・躁状態が話題になることは少ない。気分高揚・爽快感・意欲亢進・多弁・不眠(うつの不眠と異なり本人は苦にしない)といった症状があり、易怒・刺激的になったり自己過信から誇大妄想を呈したりすることもある。困るのは気が大きくなって高価な買物をしまくったりギャンブルに大金をつぎ込んだりして浪費することや、他人とトラブルを起こすことである。躁が収まって気がつけば、借金や周囲の人との不和が残っていて愕然とすることになる。実は躁病・躁状態の診断は意外と難しい。そもそも気分爽快であれこれ行動できる状態は本人にとって望ましいと感じられて医療機関にかからないし、浪費に困った家族が本人を連れてきても、ふてぶてしい態度や治療者を小馬鹿にする言動があったりすると、パーソナリティ障害だとか物質乱用だとか時には統合失調症と診断されてしまうことがある。

また基礎気分が高い人もいれば低い人もいる。会社を経営しているような人には基礎気分が高い人がよくいて、自分ではうつ病だと言って受診しても、多弁で元気溌剌に見える場合がある。客観的には正常範囲であっても、軽躁状態がその人にとって普通になっていると、相対的にうつだと感じられるのも無理はない。

 前話の河原さんの場合、神経質性格ながら気分の波がやや大きい循環気質的な性格傾向を併せ持っていて、さらに基礎気分が普通の人よりも高めだったのだと思う。そういう人は軽いうつ状態になっても普段との落差が大きいだけに奈落の底に落ちたような感じになる。森田療法は神経症(不安障害)の治療法であって気分障害(躁病やうつ病)の適応はないけれども、神経質性格を基盤とした軽度の気分障害には有効な場合がある。調子が良いからといってやりすぎず、悪いからといってがっかりせずに最低限の行動は続けてみる。気分はともかくなるべく健康人に近い生活習慣をしていくうちに、時間がたてば必ず気分も正常化してくるものである。

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コメント

先生、こんばんは。

治療をしてから、少しずつ自分が分かってきました。

自分を上手にコントロール出来たら、楽になると思います。

マザーテレサさんの行いを尊敬し、将来は奉仕の手伝いが出来たら幸せです。

ヒロマンマ様

 コメントいただきありがとうございます。

 気分を直接コントロールしようとしてもなかなかできるものではありません。しかし、土砂降りの雨も待っていれば上がるように、気分も時間が経てば変わってくるものです。それから、(エネルギーが枯渇した本格的な鬱でなければ、)気が乗らないままに行動しているうちにいつしか気分が良くなることもあります。それを体得されると、気分の落ち込みを上手にやり過ごすことができるようになるかと思います。

 ヒロマンマさんのブログ、拝見していますよ。写真がとってもいいですね。外に目を向ければ、身近なところにもいろいろな楽しみがありますね。これからもぜひ続けて下さい。

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