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2011年8月15日 (月)

神経質礼賛 696.日本化

 最近のエコノミスト誌に掲載された、アメリカのオバマ大統領やドイツのメルケル首相を「日本化している」と揶揄する、和服を着た二人の風刺画つきの巻頭記事が話題を呼んでいる。決断をいやがり、痛みを伴う財政再建を避けているのは日本と同じ、というわけだ。日本にとっては実に有難くない比喩である。

 アメリカの債務残高は日本円にして約1100兆円にのぼる。しかし、それに近い約1000兆円の債務残高の日本の方がはるかに深刻である。アメリカの年間予算が約300兆円なのに対して日本の年間予算は約90兆円。いわば年収の4倍弱の借金を抱えたアメリカ家に対して日本家は年収の10倍以上の借金を抱えていることになる。普通の家庭や企業ならばとっくに破産している。バブル崩壊以降、不人気政策を避けて問題を先送りして子孫にツケを回し続けてきた歴代政権に問題があるが、本当の責任はそれを許し続けている国民にあるのではなかろうか。

 

 痛みを恐れてやらなければならないことを避けてしまうのは、神経質人間にもありがちで気をつけなければならないことである。対人恐怖の人は人前に出るのを極力避けようとする。会食恐怖の人は何かと理由付けして人と一緒の食事を避けようとする。不安神経症の人は電車に乗ることや会議に出ることを避けようとする。不潔恐怖の人は本人にとって不潔になると思われることを避けて無駄な手洗い行為などで気を紛らわそうとする。不完全恐怖の人はすぐに外出することを避けてカギの閉め忘れを恐れて何度も何度も確認して安心を得ようとする。そんなことをしていれば、ますます恐ろしくなるばかりである。そして敷居を高くしてますます行動しにくくしてしまうのである。目先の安心にしがみついていては、結果的には苦しみ続けることになる。ちょうど水泳の飛び込みと同じである。慣れるまでは、飛び込む前は恐ろしい。痛いんじゃないかとか、苦しいだろうなあとか、といろいろ考えていると体も硬くなってしまう。しかし飛び込んでしまえばそれほど恐ろしいことではなかったとわかるのである。「恐怖突入」(212)という森田先生の言葉の通りである。

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コメント

 先生、お仕事、ご苦労様です。
 毎日、暑い日が続きますので、お体には気をつけてください。
 神経症になって、今まで以上に、何事に対しても、自信が持てないからやらない、自信が持てるようになったらやろうと考える傾向が強くなったように思います。だから、何時まで経っても出来ないことになってしまうのですね。
 自信というのは、持つものではなく、持てるようになってくるもので、先取りは出来ないものだと言われます。自信が持てなくても、ビクビクハラハラのまま行動していくことが大切なのですね。

19630303様

 御心配いただきありがとうございます。

 土日当直勤務で先ほど帰宅。明日はまた当直勤務です。今、洗濯機を回しています(笑)。さすがに今日の外来患者さんは少なかったです。お盆休みに加えて地元のお祭りの日でしたので。

 そうなんですよ。自信がついてからやろう、なんて言っていては、いつまでたっても前に進みません。行動して結果が出て初めて自信となるのです。とりあえずは、仕方なしに、ビクビクハラハラで行動してみる。小心なままで大いに結構です。

当直お疲れ様です。
先生も、神経症に悩んでおられた時期があったんですね。なんだか親近感が沸いてきます。
森田療法は、独学で勉強されたのですか。
私も、鍼灸、整体、自律訓練法、催眠療法、気功、カウンセリング等、いろんなことをしてきましたが、良い結果は得られませんでした。
森田療法は、最後の砦と言われるように、いろんな治療をしてきて治らず、最後にたどり着くものだと言われています。
「もう森田療法しかない」という、切羽詰まった状況に置かれた時に、森田の考えも、心の中にしみ通ってくるものだとも聞いたことがあります。
まだまだ、道半ばですが、しっかり取り組んで行きたいと思います。


19630303様

 私の場合、試行錯誤しながら、森田療法を知らずに、苦しいままに行動するしかない、という結論に達したのです。自力で森田先生の言われる「小学程度」にはなっていたようです。浜松医大精神科に入局して大原健士郎教授の指導を受けて初めて森田療法を知りました。もっと早くに森田先生の本と出会っていたら自分の人生は変わっていたかも知れません。

先生、こんばんは。
日本が悪い例で比喩されるのは残念です。私は喫煙者ですが、日本製のタバコが店頭から消えたとき、仕方なしに外国のタバコを吸っていました。
外国のタバコは日本製より火種が落ちやすく、日本製の品質の良さを実感しました。日本がここまで経済成長したのも、ちょっとした品質のよさだなと思ってしまいました。
優柔不断な日本人、NOと言えない日本人と揶揄されてしまうこともありますが、やはり生真面目な国民性はほこりたいです。

アッシュ様

 コメントいただきありがとうございます。

 私は全くタバコは吸わないので国産タバコと海外タバコの比較はできませんが、工業製品全般、品質が揃っているのは、やはり1位が日本で2位がドイツで3位以下を大きく引き離しているのではないか、と勝手に思っています。そして、それは神経質人間が多いからではないか、とこれまた勝手に思い込んでいます(笑)。
 神経質の良いところをマネして日本化と言って貰いたいところです。

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