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2011年10月17日 (月)

神経質礼賛 716.漢方薬がピンチ

 最近の新聞報道によると、漢方薬の原材料となる生薬が高騰しており、今後漢方薬の製造に支障をきたすおそれがあるそうである。生薬の価格はここ4年間に加重平均で1.6倍になっているという。ハイテク製品に使われる希少金属レアアースと同様、中国側が輸出制限をかけているためとみられている。これまで漢方薬の原料となる薬草のカンゾウ、シャクヤク、ケイヒ、ハンゲ、サイコなどはほとんど中国からの輸入に頼ってきた。漢方薬がピンチというわけである。

 精神科医療でも漢方薬は用いられている。このところ処方するケースが少しずつ増えているのが抑肝散である。神経症・不眠症・(子供の)夜泣きや「疳の虫」などに使われてきた薬であり、最近はマイルドな鎮静作用を生かして高齢者のアルツハイマー病に伴う周辺症状、例えば幻覚・妄想・興奮・焦燥感などに使用されるようになってきた。漢方薬だからといって副作用がないわけではない。本来は漢方医の診察法で陽と陰、実と虚といった体質に合った処方をすれば副作用は防げるらしいのだけれども、我々のように西洋流の薬物療法を行う医師ではそこまでは難しい。抑肝散はカンゾウの作用で低カリウム血症・高ナトリウム血症・高血圧をきたすこともあるので、血圧には注意して処方している。従来やむなく処方していた抗精神病薬に比べれば過鎮静や転倒、嚥下障害による誤嚥などのトラブルがはるかに少なく重宝している。

漢方薬は西洋薬にない良さを持っているので、漢方処方を得意としている医師も珍しくはない。今後、生薬の高騰で採算が取れなくなって生産中止のような事態になれば、医療界に少なからぬ打撃となる懸念がある。

 ところで、日本たばこ産業様。葉タバコ生産農家に薬草への転作を勧めて、漢方薬の材料生産、あるいは純国産漢方薬の自社製品開発をされたらいかがでしょうか。御社が、人を病気にして不幸にする企業から、人を健康にして幸福にする企業に大転換するチャンスだと思いますがどうでしょうか。

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コメント

先生、こんばんは。

それは素敵な発想ですね。生姜やウコン、柿の葉、桑の葉など良いものが沢山ありますね。

手に入り難いものを国内生産したら素敵な取り組みが出来ますね。

ヒロマンマ様

 さっそく御賛同いただきありがとうございます!!

 植物栽培のノウハウを持っておられるはずですし、莫大な資本があるはずですので、良いアイデアだと思うのですが(笑)。
 

5年まえに禁煙に成功したわたくしは喫煙者に対し全く冷酷です。副流煙で周囲にまで害毒ながすバカな行為はすぐにやめろと言いたいです。
薬草への転作は素晴らしいお話です。もっと人目に付く大新聞への投書をリクエスト致したく。

たらふく様

 コメントいただきありがとうございます。

 勤務先の最寄駅も、以前は「ポイ捨て禁止」の看板だけだったので、駅の出入口で吸っている人たちが多くて困っていました。通学の中学生・高校生も副流煙を吸わされていました。ようやく今年の夏から駅前広場は禁煙となり、喫煙者のための喫煙所もできて、所構わず吸う人はいなくなりました。

 たばこ産業さんもペットボトル飲料を作ったりして、経営多角化を図っているようですので、健康産業への転換はよいアイデアのように思うのですが(笑)。

 

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