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2011年12月 9日 (金)

神経質礼賛 733.笑いの効用

 医療関係者向けの新聞Medical Tribune2011.12.1号に「日常的な笑いで患者のQOL向上を目指す」という記事があった。阪大大学院公衆衛生学の大平哲也准教授が大阪府在住65歳以上の住民を対象とした疫学研究では、笑いの頻度が低いほどうつ症状や認知機能低下症状を有する人が多く、笑いの頻度を増やす長期的な介入がQOL(生活の質)向上につながることが示唆された、という内容だ。また、同准教授によれば100回の笑いの運動量は15分間のエアロバイク運動に相当し、運動効果や腹式呼吸によるリラクセーション効果も期待できるということだ。

 320話(自著p.141-142)で書いたように森田正馬先生は「笑望青山山亦笑 泣臨碧水水亦泣」(笑って青山を望めば山また笑い 泣いて碧水に臨めば水また泣く)という漢詩を引用し、心理学者ウイリアムス・ジェームズの「人は悲しいから泣くのではない。泣くから悲しいのだ」という言葉を引用したりして、患者さんを指導された。私のような神経質人間は面白くないことがあると言葉には出さなくてもつい仏頂面になりやすい。しかし、それを続けていれば嫌な気分を長引かせることになる。気分は直接変えることはできないけれども、行動を変えることで後から気分もついてくる。笑顔で人と接しているうちに自分自身の気分も引き立ってくるものである。森田先生の診療所で月1回行われた形外会は神経質に関する座談会ではあったが、時には落語家や漫才師を呼んで楽しんだり、全治退院者の水谷啓二さん(「生活の発見会」の創始者)ら「赤面恐怖一座」による滑稽劇で大笑いしたり、皆で東京音頭を踊って楽しむ場面もあった。普段は怖い存在の森田先生も綱渡り芸(畳のヘリを綱に見立てて綱渡りの真似をする)で一同を沸かせることがあった。修養を思わせる森田療法の中にも笑いはあったのである。

 笑いには、免疫系を活性化し、痛みを緩和するなどの効果があると言われ、笑いの効用を示す種々の実験データが報告されている。場違いな所で笑わない限り人に迷惑を掛けることはない。ことわざのように「笑って損した人なし」である。笑うことを心掛けていくうちに「笑う門には福来る」にもなるだろうと思う。

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